悲しみ越え卒業式 熱海・伊豆山小7人門出 2カ月間他校に通学

 大規模土石流に見舞われた熱海市伊豆山の伊豆山小で18日、卒業式が行われ、児童7人が学びやを巣立った。「勉強して頼りになる大人になりたい」「中学ではスポーツにも挑戦したい」-。被災地の復興とともに未来に向けて新たな一歩を踏み出した。

児童に卒業証書を手渡す国原尋美校長(左)=熱海市の伊豆山小
児童に卒業証書を手渡す国原尋美校長(左)=熱海市の伊豆山小

 式は校舎内のホールで行った。教員や保護者が見守る中、卒業児童は名前が読み上げられると一人ずつ壇上に進み、国原尋美校長から卒業証書を受け取った。国原校長は昨年7月に起きた土石流に触れ、「悲しみに包まれたが、みんなは地域に勇気を与える存在になる。自分を信じて人生を歩んでほしい」とエールを送った。
 同校の児童は土石流の影響で昨年8月末から約2カ月間、約7キロ離れた市内の泉小にバスで通い、授業や運動会などを行った。環境面で制約が多い1年となったが、児童らは前向きに学校生活に励んできたという。
 豊嶋琉生さん(12)は「卒業式を伊豆山小で迎えることができてうれしい。将来は研究者になって地球環境を守りたい」と語った。

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