熱海・多賀地区南工区埋め立て 工期3月末から来年2月まで見通し

 熱海市は11日の市議会観光建設公営企業委員会で、同市伊豆山の大規模土石流で堆積した土砂を活用する多賀地区南工区の埋め立て工事の期間が、今月末から来年2月までの見通しになったことを明らかにした。当初は今年2~6月を想定していたが、土砂の海洋流出を防ぐ施工に時間を要するため延長した。
 埋め立て工事は、同市下多賀の長浜海浜公園南側の約300メートル区間で行う。面積は約1万平方メートル。今月末から草刈りなどを行い、9~12月に10トンダンプ8千台分に相当する約4万立方メートルの土砂を運び込む。1日当たり約80台の車両で約400立方メートルを搬入する。
 当初は土砂流出を防ぐための鋼矢板の設置と土砂搬入を並行して実施する予定だったが、流出対策を徹底するため鋼矢板の設置を先に完了させる。津波対策の護岸整備の工期は今年5月から2025年までを見込み、埋め立て部分の覆土、緑化などは今年10月から行う予定。
 土石流で流出した土砂からは土壌汚染対策法の基準を上回るフッ素が検出されているが、市や県は海の埋め立てには問題がない数値としている。市は土砂とがれきを分別した上で、仮置き場から搬出する際に改めて土砂の汚染度調査を行う方針。

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