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熱海土石流起点の盛り土 崩落の恐れ「認識せず」 市長答弁

 熱海市伊豆山の土石流の起点となった盛り土について、斉藤栄市長は9日の市議会2月定例会の一般質問で、市内の広範囲で断水を引き起こした2019年の台風19号で土砂崩落が確認されなかったことを踏まえ「盛り土が大規模崩落を起こす恐れがあるとの認識はなかった」と述べた。小坂幸枝氏(日本共産党)への答弁。
 市のハザードマップによると、被災地の一部は土砂災害警戒区域に指定されているが、盛り土部分は警戒区域になっていない。一方、県と市が公表した行政文書では不適切に造成された盛り土の崩落により住民の生命、財産に危険を及ぼす可能性があるとの認識を共有していたことが明らかになっている。小坂氏は「盛り土の危険性を住民と共有していなかったことは重大な問題」と指摘した。
 市が昨年7月3日の土石流発生前に避難指示を発令しなかったことについてただした橋本一実氏(熱海市民クラブ)に対し、斉藤市長は「気象庁の情報や今後の予測を踏まえ総合的に判断したが、じくじたる思いがある。一方で(避難指示の)『空振り』が多くなると住民へのメッセージが成立しなくなる。非常に悩ましい判断だった」と述べた。同日未明以降、気象庁の土砂災害危険度分布「キキクル」では、市内では極めて危険とされるエリアが急速に増えていた。

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