東南アジア高まるおでん人気 焼津の老舗かまぼこメーカー、ハラル認証取得 マレーシアに輸出計画
焼津市焼津の老舗かまぼこメーカー「カネサ大石佐太郎商店」がハラル認証を取得した。マレーシアやインドネシアなど東南アジアで高まるおでん人気に着目。海外輸出を念頭に工場にハラル専用の機器を取り入れ、イスラム教徒でも安心して食べることができるよう生産体制を整えた。今夏には認証マーク付きの商品をマレーシアに輸出する計画。
同社は弁当や飲食店向けを中心とした業務用に出荷してきたが、コロナ禍で需要が激減した。活路を求めていたときに、東南アジアでおでんや練り製品の需要が高いことを知る。認証マークの付いた商品が市場で高い信頼性があるため、昨年夏ごろから取得に向けて動いた。
イスラム教徒にとって避けるべきアルコールが入らないよう、本来使用するみりんを生産工程から省いたり、ハラル専用の成型機やすり鉢、薫製機を取り入れたり、専用の保管スペースを設けたりした。半年かけて整えた後、2月にハラル認証団体「日本イスラーム文化センター」(東京都)から認証を受けた。
認証マークの付いた専用の包装紙を作製し、早ければ6月にはかまぼことちくわをマレーシアに輸出する。同社は来年創業110周年の節目の年。匂坂義弘社長は「本格輸出は初めての試み。海外に勝負へ打って出る」と意気込む。