静鉄車両で朗読劇 SPAC俳優 3月19、27日に上演
静岡鉄道の運行車両内を“舞台”として沿線の歴史や風物を題材にした朗読劇を展開する「きょうの演劇inしずてつ」(静岡市主催)が19、27の両日上演される。開催に先立ち6日、関係者向けに試演された。

SBSラジオで毎週土曜に放送中の「きょうの演劇」の発展演目。昨秋に放送した静岡鉄道にまつわる戯曲3本を、SPAC俳優宮城嶋遥加さんが新静岡駅から新清水駅までの約20分間に身体表現を交えて朗読した。
ギターとオーボエの即興演奏に乗せ、県産茶を運んだ鉄道の歴史、沿線各駅の由来や周辺環境、過去に存在した遊園地「狐ケ崎ヤングランド」(現在の静岡市清水区)の風景などを、乗客に語り掛けるようにして読み上げた。
左右のカーブとゆるやかな起伏をたどる車両のきしむ音、特別録音した車内放送が演出効果を高めた。構成・演出の劇作家石神夏希さん(静岡市葵区)は「普段暮らしている静岡のまちを、視点を変えて眺める提案をしたかった」と意図を語った。作品を鑑賞した田辺信宏市長は「文化・芸術の力で、市の新たな魅力を発見する機会を創出してほしい」と期待を込めた。
朗読劇の正式上演は各日20人が参加可能。参加無料で先着順。問い合わせは静岡市まちは劇場推進課<電054(221)1229>へ。