山口組会合 宿泊提供で勧告 静岡県公安委員会、西部事業者に

 暴力団対策法の規制を逃れるため、指定暴力団山口組が2021年12月、規制区域外の浜松市中区の同組国領屋一家本部事務所で直系組長らが集まる会合を開いた問題で、県公安委員会は4日、全国から集まった山口組幹部らを経営するホテルに宿泊させたとして、県暴力団排除条例に基づき、県西部のホテル事業者に対して暴力団への利益供与をやめるよう勧告した。宿泊を依頼した山口組系幹部にも勧告を出した。
 幹部らは通常料金でホテルを利用したが、県公安委は割引やサービス提供でなくとも、宿泊させたこと自体が利益供与に当たると判断した。同様の勧告事例は全国でも極めて珍しい。今回の県公安委の判断で今後、暴力団は宿泊を伴う同様の大規模会合の開催が難しくなり、暴力団活動の抑止に効果を発揮するとみられる。関係者への取材で分かった。
 関係者によると、事業者は暴力団が利用することを知りながら21年12月中旬、山口組系幹部から依頼を受け、全国から集まった組幹部ら延べ約90人を経営する県西部のホテルに宿泊させたとされる。
 山口組は神戸山口組との分裂抗争が続き、兵庫や愛知など10府県の公安委員会が20年、市民に危害を及ぼす危険性があるとして両組を特定抗争指定暴力団に指定。傘下組織事務所などが立地する市町を警戒区域に設定して規制し、組員5人以上の集合や事務所への立ち入りを禁じている。
 国領屋一家で開かれた会合は、篠田建市(通称・司忍)組長をはじめ、「直参」と呼ばれる直系組長が集まる「事始め式」。通常は神戸市の山口組総本部で開かれているが、警戒区域に指定されたため、交通の利便性や建物の広さなどを理由に国領屋一家の本部事務所が会場になったとみられる。

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