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みそ漬け実験、検察側が公開 袴田さん弁護団に 再審請求審

 旧清水市(静岡市清水区)で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(85)の第2次再審請求審で、検察側は3日、布に血液を付け、血痕をみそ漬けにして色の変化を調べる「みそ漬け実験」の様子を弁護団に公開した。関係者への取材で分かった。
 検察側は昨年9月に実験を始め、静岡地検の一室で観察を続けてきた。関係者によると、3日は弁護士2人が参加し、支援者の立ち会いは認められなかった。
 犯行着衣とされる血染めの「5点の衣類」は事件から1年2カ月後に現場のみそタンクから見つかり、血痕の色は当時の捜査資料に「濃赤色」と記載されていた。弁護団は東京高裁で続く差し戻し審で、長期間みそに漬かると「血痕の赤みは残らない」とする専門家の鑑定書を提出。袴田さんの犯人性は「完全に否定された」と強調している。
 東京高検は検察側の実験で、条件次第では5カ月間みそに漬けた血痕に「顕著な赤み」が観察できたと指摘。血液の量やみそ漬けになるまでの乾燥の程度が血液の色調変化に影響を及ぼす可能性が高いと分析した上で、弁護側の鑑定などを「新証拠としての明白性は認められない」とする意見書を高裁に提出している。
 弁護団は今後、高検側の主張に反論していく方針。

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