熱海土石流発生から8カ月 慰霊集会で冥福祈る 遺族「真相究明を」
大規模土石流の発生から8カ月を迎えた3日、熱海市伊豆山では発災時刻の午前10時半ごろに合わせ被災者らが集会を開き、犠牲者の冥福を祈った。市議会の百条委員会について参列者からは、「なぜこの災害が起きたのか」と真相究明を求める声が上がった。

遺族と被災者でつくる「被害者の会」は現場脇の路上で慰霊集会を開き、約15人が線香をあげて手を合わせた。神奈川県湯河原町の仮設住宅に家族で身を寄せている太田滋さん(65)は「原因が究明されなくてはまた全国で同じことが起きる。全て分かった上で私たちに説明してもらいたい」と声を強めた。
住民団体「熱海伊豆山で心をつなぐ集い」も伊豆山神社境内で慰霊神事を営んだ。町内会役員や観光関係者ら約20人が参加し、玉串をささげた。大舘節生代表は「仮設住宅で暮らす被災者が多くいる。地域の絆を取り戻したい」と述べた。
県警は同日、行方不明になっている太田和子さんの一斉捜索活動を行った。機動隊など約70人態勢で臨み、太田さんの自宅付近や伊豆山港周辺の海域を重点的に調べた。