マインクラフトで史跡再現 常葉大の栗田さん 藤枝の志太郡衙跡、仮想世界に
常葉大造形学部4年の栗田淳史さん(22)=藤枝市志太=が、藤枝市南駿河台の国指定史跡「志太郡衙(ぐんが)跡」をマインクラフトで再現した。27日まで、同郡衙資料館で制作品の展示が行われている。栗田さんは「貴重な史跡だが、知名度が低いのが課題。ゲームを通じて市内外への発信強化につなげたい」と意義を語る。
マインクラフトは、ブロックを使って建物などを組み立てる人気ゲーム。栗田さんは「現在の郡衙跡」「発掘時の風景」「当時の建物が残る奈良時代のイメージ」の3作品を完成させた。奈良時代のイメージは資料館にある模型などを基に制作。駿河国志太郡の役所建物を、仮想世界でよみがえらせた。
卒業制作の一環として、約半年かけて完成させた。「仮想郡衙」を紹介する動画をYouTubeで配信しているほか、プレーヤーが各作品をダウンロードすることも可能という。栗田さんは「コロナ禍で来場客数が落ち込んでいる。足を運べない人や、歴史に興味がない若い人たちにも魅力が伝われば」と期待を寄せる。
会場ではゲーム操作を体験できるほか、郡衙の概要や保全・活用に向けた課題をまとめたパネルの展示もしている。資料館を訪れた山田英敏さん(78)=焼津市=は「とても精巧に再現されている。ゲームから興味を持つ人が増えるのではないか」と話した。月曜休館。