型染め 懐かしい光景、ポップに 大石彩乃さん(静岡市駿河区)【ものづくりびと 県内作家の小さな工房】

 開けた袋からピーナツが飛び出す。カセットテープを鉛筆で巻き戻す。型染め作家、大石彩乃さん(32)=静岡市駿河区=が手掛ける手拭いは、日常生活のワンシーンや懐かしい光景がポップな色彩で切り取られている。

大石彩乃さんが型染めで制作した手拭いやがまぐちポーチ。ピーナツやカセットテープなど、日常の風景を色鮮やかに染めた
大石彩乃さんが型染めで制作した手拭いやがまぐちポーチ。ピーナツやカセットテープなど、日常の風景を色鮮やかに染めた
大石彩乃さん
大石彩乃さん
大石彩乃さんが型染めで制作した手拭いやがまぐちポーチ。ピーナツやカセットテープなど、日常の風景を色鮮やかに染めた
大石彩乃さん

 高校卒業後、ファッションデザインを学ぶため上京したが、アルバイト先で目にした染色の仕事に引かれた。「技を身に付けたい」と23歳で静岡に戻り、焼津市の藍染め職人桜井茂雄さんに弟子入りした。「完成度の高さを追求し、作る物に責任を持つ姿勢を学んだ」
 独立して約1年半。「肉筆で描く線はまだまだ未熟。型を彫る工程が加わることで、頭の中が整理され、余分な線をそぎ落とせる」。伝統工芸だが、図案のデフォルメも色合わせも自由度が高い。その分、桜井さんの教え「白色をどう見せるか」が決め手と実感する。
 図案の基になる題材には、ウツボカズラやウミウシなども登場する。曲線や不規則な配列が、独自の模様を引き出す糸口になる。「ぱぴぷぺぽん」のかな文字は、弾んだ声が連続する様子を描いた。
 静岡は古くから染めの文化が根付く地。悩んだら、静岡市立芹沢銈介美術館(駿河区)へ行く。「自分の道を確かめられる。現代に合う形を自分たちが生み出すことで伝統工芸がつながっていく」との思いを強くする。

 おおいし・あやの 静岡市清水区出身。「prototype[プロトタイプ]」の作家名で、綿や麻布を型染めした手拭いやがまぐちポーチ、ランチョンマット、ミニトートバッグなどを作る。「駿府の工房 匠宿」(駿河区)で3月6日まで開催中の「静岡の染め展」に出品中。

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