容疑者宅に4000錠 MDMA大量密輸 清水税関が告発

 名古屋税関清水税関支署は21日、合成麻薬MDMAの錠剤を大量に密輸したとして麻薬取締法違反の疑いで静岡南署などに逮捕された静岡市駿河区中島、建設作業員の容疑者(25)=ベトナム国籍=を関税法違反容疑で静岡地検に告発した。

MDMAが含まれた錠剤や錠剤が詰められていたボトルなどの押収品=21日午後2時55分ごろ、静岡市清水区の名古屋税関清水税関支署
MDMAが含まれた錠剤や錠剤が詰められていたボトルなどの押収品=21日午後2時55分ごろ、静岡市清水区の名古屋税関清水税関支署

 同支署によると、密輸された錠剤は4007錠。ドイツから成田空港に空輸され、横浜税関川崎外郵出張所の職員が1月11日にエックス線や目視による検査で発見した。サプリメントのボトル2個に各千錠ずつ、コーヒー豆の袋に約2千錠が詰められ、段ボール箱に収められていたという。末端価格は計約2千万円に上るとされる。
 同支署によると、段ボール箱の送り先が容疑者の自宅になっていたという。同支署が県警に通告。静岡南署と県警薬物銃器対策課が捜査を進め、容疑者ら2人を麻薬取締法違反の疑いで逮捕した。
 名古屋税関のまとめによると、2021年の同税関管内の空港や港湾における不正薬物の摘発は、件数、押収量ともに大幅に増えた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で航空機旅客が少ない状態が続き、密輸形態が人による運搬から国際郵便物にシフトしているという。

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