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特集 : 福祉・介護

七間町「かけこまち」てこ入れ 認知症ケア浸透を模索【22年度静岡市予算案㊦】

 静岡市葵区の中心街に立地する市認知症ケア推進センター「かけこまち七間町」。2月中旬の平日、新型コロナウイルス感染拡大と冷たい雨の影響もあってか、利用者の姿はなかった。職員の女性は「イベントがあれば人が来るんだけど…」と漏らした。

静岡市中心街に立地する「かけこまち七間町」。新型コロナの影響もあり、利用者数は伸び悩んでいる=10日午後、静岡市葵区七間町
静岡市中心街に立地する「かけこまち七間町」。新型コロナの影響もあり、利用者数は伸び悩んでいる=10日午後、静岡市葵区七間町
22年度当初予算案の主な認知症ケア推進事業
22年度当初予算案の主な認知症ケア推進事業
静岡市中心街に立地する「かけこまち七間町」。新型コロナの影響もあり、利用者数は伸び悩んでいる=10日午後、静岡市葵区七間町
22年度当初予算案の主な認知症ケア推進事業

 かけこまちは認知症の当事者やその家族を総合的に支援する拠点として同市葵区七間町に2020年秋にオープンした。福祉や医療の専門職が常駐し、認知症への不安解消や理解促進、人材育成に取り組む。認知症に特化した施設の市内一等地への開設は、「健康長寿のまち」の推進に力を入れる田辺信宏市長肝いり事業の一つ。誰もが気軽に立ち寄れる場所を目指し、街中のにぎわい創出への効果も期待されていた。
 「話を聞いてもらえて楽になった」「無料で相談できるところがあり安心」。来場した人の満足度は総じて高い。ただ、月40件を目標としていた相談件数は平均20件に届かず、利用者数は月間150人程度にとどまっている。コロナ禍で、人を集める企画が軒並み中止に追い込まれたことも、利用者の伸び悩みに影響している。
 市地域包括ケア推進本部の池田陽平本部長は「認知症への不安を抱えていても漠然としていて、『かけこまちに行こう』とはなっていない」と省みる。「もっと行政から働き掛けていかなければ」。浸透に知恵を絞る。
 市は22年度、認知症ケア推進の関連事業に2600万円を計上した。このうち、かけこまちの魅力発信に480万円を充て、利用者増へてこ入れする。かけこまちを目的地とした高齢者向けの街中観光ツアーを民生委員らの協力で展開したり、イベントを常時開催する月間を設けたりして、積極的に利用者の呼び込みを図る。
 市の認知症当事者は2万5千人を超える。かけこまち開設の仕掛け人となった同本部の木下晴美さんは「認知症は誰にとっても身近な病気。『なっても大丈夫』と思える社会を目指し、市民に頼られる拠点にしたい」と潜在するニーズに応えたいと力を込める。

 <メモ>静岡市では高齢化とともに認知症患者が増加し、2013年度に約1万9300人だった患者は20年度には1.3倍の約2万5800人になった。65歳以上の9人に1人が当事者とされている。
 市地域包括ケア推進本部によると、コロナ禍での外出自粛や運動不足により認知機能が低下することで、認知症の発症や進行が進むとされる。かけこまちでは脳や心身の健康状態をチェックする企画を定期的に開き、認知症の予防や早期発見につなげている。

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