静岡市22年度予算案 静岡、清水、東静岡3都心の魅力づくり注力

 静岡市が14日発表した2022年度当初予算案は、静岡、清水、東静岡の3都心の文化拠点づくりなど「五大構想」の着実な推進に重点を置き、新型コロナウイルス対策(53億2千万円)を上回る55億2千万円を計上した。市の将来像を左右する大規模プロジェクトを本格始動させる一方、持続可能なまちづくりを目指してポストコロナの経済社会変革や防災・減災にも目配りした。

静岡市2022年度当初予算案の主な事業
静岡市2022年度当初予算案の主な事業


 ■大型ハード事業
 目玉は新型コロナウイルス禍でストップした清水港の海洋文化施設整備事業の再開だ。水族館と博物館の機能を併せ持ち、教育機能も備える「海洋・地球総合ミュージアム(仮称)」を建設する。民間資金活用による社会資本整備(PFI)で事業を進め、26年早期の完成を目指す。22年度はパートナーとなる民間事業者の公募を開始する。
 葵区の駿府城公園エリアでは23年1月の開館に向け歴史博物館の建設・管理運営費を盛り込んだ。新サッカースタジアム建設は21年度に続いて調査費を計上し、22年度中の候補地決定を目指す。

 ■デジタル・グリーン
 デジタル化の加速に向けては証明書発行などの窓口業務でキャッシュレス決済を導入し、市民サービス向上を図る。中小企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を後押しするほか、デジタル格差の解消に向け情報通信機器の体験会も開催する。脱炭素社会の実現では住宅や工場への屋根置き型太陽光発電設備の導入を進め、電力の地産地消を目指す。

 ■教育・子育て
 学校現場のICT環境を整備し、オンライン環境が整っていない家庭にモバイルルーターを貸し出す。22年度から「静岡型小中一貫教育」をスタートさせ、地域と連携した学校づくりを進める。産後ケア事業を拡充し、こども園や放課後児童クラブで医療的ケア児の受け入れも進める。

 ■防災・減災
 大規模災害が全国で相次ぐ中、防災情報ポータルサイトを構築する。同報無線設備をアナログからデジタル方式に更新するほか、消防団員の処遇改善へ出動報酬制度を創設する。
 解説=大型ハードに積極投資 市の将来像明示を
 一般会計で過去最大規模となった静岡市の2022年度当初予算案。市が第3次総合計画(15~22年度)の総仕上げと位置づけるように、求心力が強いまちづくりを目指して大型ハード事業への積極投資が際立つ内容となった。
 一方、最大の課題である人口減対策は既存事業の拡充が中心で、目新しさを欠いたと言わざるを得ない。市は交流人口や関係人口を含めた人口活力の維持に注力する方針だが、転出超過に歯止めをかけるため、定住人口の維持拡大へ思い切った施策を打ち出しても良かったのではないか。
 田辺信宏市長は14日の記者会見で、いわゆる「ハコモノ」事業について「公共投資を呼び水にして民間投資を促し、経済活性化につなげる」と意義を強調した。だが、厳しい財政状況が続く中での事業推進には少なからず批判がある。市民の理解を得るための丁寧な説明はもちろん、ハード整備によって市の将来像をどう描くのかをしっかりと明示してほしい。

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