三島市予算案 過去最大392億円 コロナ後、まちづくりに重点
三島市は4日、2022年度当初予算案を発表した。一般会計は過去最高の392億円を計上し、前年当初比で30億1千万円(8・3%)の大幅増。新型コロナウイルスの感染防止や市内経済の支援策に加え、移住定住、企業誘致、インフラ整備などポストコロナを見据えた「未来創造型」のまちづくりに重点を置いた。
歳入の柱となる市税収入は2・1%増の175億4100万円。コロナの感染拡大に伴い法人市民税が減収となる一方、企業の設備投資などで固定資産税が増収となった。市債と国庫支出金がそれぞれ26・2%増加し、歳入全体を占める自主財源の割合は前年を3ポイント下回る52・9%。
歳出は小学校の施設補修整備(6億8800万円)、市道整備(7億4700万円)などで投資的経費が29・9%の大幅な増加となった。三島駅南口東街区再開発事業の関連費用では、組合設立後の実施設計や権利変換計画作成の補助金などに3億4100万円。キャッシュレス決済の普及促進と市内事業者の支援策として、スマートフォン決済へのポイント還元など商工業振興事業に1億6千万円を計上した。
五つの特別会計と二つの企業会計を含む予算総額は684億400万円(5・5%増)。借金に当たる市債残高は約4億円減の397億7100万円で、市民1人当たり36万7千円となる。
【記者の目】駅前再開発市民とともに
三島市の豊岡武士市長にとって3期目の集大成となる2022年度の市当初予算案は、新型コロナウイルスで冷え込む市内経済の足元を固めつつ、先を見据えた積極的な投資が目立つ内容となった。
目玉の一つは、豊岡市長が最重要施策に掲げる三島駅南口東街区の再開発事業。今春にも本組合が設立され、新年度は実施設計と権利変換計画の作成、認可など着工に向けた作業が大詰めを迎える。計画は若干の遅れがあったものの、「あとはスムーズに進んでいく」(豊岡市長)との見通しという。
これから徐々に決まっていく施設の具体的な導入機能は、不確定要素も多いだけに詳細な情報発信が難しい。ただ、多額の補助金が投じられる大型事業だけに、市民も高い関心を寄せる。少しずつでも丁寧に説明し、市民と三島の未来を描きながら進めてほしい。