静岡の小学生姉妹、シェフ・編集者の二役 手書きの世界料理新聞
静岡市葵区の小学生姉妹が世界各国の有名料理を実際に作って紹介する「わくわく新聞」を発行し、評判を呼んでいる。シェフと編集者の二役をこなすのは、市立麻機小5年の県栞衣(かえ)さん(11)と2年の栞悠(しゅう)さん(8)。「料理と世界のつながりを知ることができて楽しい」。姉妹はお国柄で異なる食文化の研究に情熱を燃やす。
料理を始めたきっかけは、県さん方にホームステイしたミャンマーの学生と一昨年、母国料理の店に行ったこと。「魚のソーメン」を食べ、日本のそうめんとの味の違いに驚いた。県さん一家はこれまで、ホームステイで6カ国から15人を受け入れてきたこともあり、姉妹は外国に自分の口に合う料理があるのか知りたくなった。
調理するのは自宅の台所で、毎週金曜日の夕食前、各国料理を紹介する書籍を参考にして一つの国の料理を作る。調理中の様子と出来上がった料理の写真は、母親の寿子さんが撮影。新聞には複数の料理の記事と写真に加え、それらの国の地理と文化、言語などの情報も載せている。
新聞はA3判1ページ。2021年5月からこれまでに18号を発行し、66カ国を紹介した。西アフリカ・ガーナのバナナフライやモンゴルの揚げ焼き肉まんなど、一般の日本人が食べたことのない料理も数多い。
新聞と料理は、姉妹が参加する国際交流サークル「ヒッポファミリークラブ」で毎週土曜に持参し紹介する。クラブには県内各地に住む外国人も参加し、英語やスペイン語など多言語が飛び交う。参加者からは「自分から進んで、楽しみながら新聞を作り続けてすごい」といった声が上がる。
栞衣さんは「クラブのみんなに喜んでもらえるのがうれしい。日本から遠く離れた国なのに、味やにおいに共通点が見つかることもあって面白い」とやりがいを感じている。
2人の目標は「外国人の友達をつくり、その国の言葉で話して心を通わせること」。栞悠さんは「これからも世界のことを学び続けたい。海外での交流に挑戦するため、料理、新聞作りに一層励みたい」と意欲を新たにした。