甘さと酸味のバランス上々 寿太郎ミカン出荷開始 1日から販売
沼津市三浦(さんうら=西浦、内浦、静浦)地区で生産が盛んなミカン「寿太郎温州」の出荷が31日、同市西浦平沢のJAなんすん西浦柑橘共同選果場で始まった。定評となっている甘さと酸味のバランスの良さは今季も上々という。1日から販売が始まる。

今季は2020年の農林水産省のブランド保護地理的表示(GI)登録から2期目。出荷初日、生産者は収穫から約1カ月の貯蔵を経て甘さを引き出した寿太郎ミカンを続々と持ち込み、センサーで出来を確認して箱詰めを急いだ。
今季は隔年で収穫量が減る「裏年」にあたるため、出荷量は昨季の2200トンから1600トンに減少する見通し。地元と関東の市場に送られる。西浦柑橘出荷部会の矢岸正敏部会長によると、裏年で出荷量が限られるものの、引き合いは強く注文は多いという。
寿太郎温州は根強い人気から他地域でも生産が本格化しているが、「取引先や消費者から『沼津市産は甘くてほかとは違う』と支持されている」と矢岸部会長。「本当にありがたい。この信頼を守っていきたい」と意気込む。