噴火防災、学び駆使し教材製作 沼津高専生、地域住民に啓発へ

 沼津高専(沼津市)の学生6人が、富士山噴火をテーマにした防災研究に取り組んでいる。「富士山を観光資源だけでなく、災害の対象として意識してほしい」。ものづくり、シミュレーションなど授業で学んだ学際的アプローチで教材製作などを進めていて、地域住民への啓発活動を通じた防災課題の解決を図っていく。

富士山の模型を使用し、火山噴出物の動きを再現する古田皓晟さん(中央)ら=20日、沼津市の沼津高専
富士山の模型を使用し、火山噴出物の動きを再現する古田皓晟さん(中央)ら=20日、沼津市の沼津高専

 リーダーの古田皓晟さん(20)=同校5年=らは4年前に防災教育の教材づくりに着手し、数学と防災を絡めた問題集などを手掛けてきた。昨年9月に実施した地域住民への意識調査で、風水害や地震と比べ富士山噴火への危機意識の低さが分かり、火山防災に着目した取り組みを始めた。
 研究は1~5年生の有志が当たり、機械や電子制御、制御情報などの知識を活用した教材の製作に挑戦した。3Dプリンターで立体化した溶岩流のハザードマップは、地形に沿って溶岩が流れ下る様子を伝える。融雪型火山泥流の被災状況を時系列で確認できるAR(拡張現実)のスマートフォンのコンテンツも開発した。
 水中火山と呼ぶ教材は富士山の模型を水槽の底に置き、洗剤を用いて火山噴出物の動きを再現。噴出物が火山灰として立ち上るか、火砕流となって斜面を下るかの違いを視覚的に捉えられる仕組みにした。
 一連の研究は、全国の高専生が技術や知見、発想力を地域防災に役立てる「第4回高専防災コンテスト」の1次選考を通過した。研究の成果を地域住民の防災意識向上につなげる機会も設けていくという。
 古田さんは「富士山が活火山で、噴火の可能性があることを住民が意識するきっかけになれば」と期待する。指導する鈴木正樹准教授(45)は「ここまで防災に熱心な学生は他にいない。知識を生かして地域に貢献したいという思いが素晴らしい」と目を細めた。
 
 ■「富士山 リスク意識を」 30日にイベント
 沼津高専は1月30日午後1時15分から、学生が製作した防災教材を公開するイベント「高専生と学ぶ火山防災」を沼津市の門池地区センターで開く。入場無料。
 イベントを通じて地域住民に富士山噴火への備えの意識を高めてもらう。立体化したハザードマップや水中火山などを展示。噴火時に、被害状況の把握や残留者の捜索などで活用が期待されるドローンの操縦や、炭酸飲料などの身近な素材で噴火のメカニズムを化学的に再現する体験コーナーも設ける。
 古田皓晟さんが「寮生による自主防災組織の構築」をテーマに講演するほか、静岡地方気象台の担当者が噴火時の地域への影響などについて解説する。問い合わせは同校研究支援係<電055(926)5762>へ。

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