自宅療養支援 市町も参画 人数把握できず課題も【新型コロナ】

 静岡県内の市町が、新型コロナウイルス感染症の自宅療養者への食料支援などに奔走している。「第5波」までの経験から、保健所が担っていた業務に市町も加わる枠組みになった。オミクロン株が猛威を振るう中、現場は対応に追われる。自治体ごとに自宅療養者が何人いるか把握できないことには困惑の声も聞かれる。

自宅療養支援について協議したり、電話相談に応じたりする職員ら=20日、藤枝市役所
自宅療養支援について協議したり、電話相談に応じたりする職員ら=20日、藤枝市役所


 ■「ピークが見えない」
 市内の新規感染者の合計が直近5日間で200人を超えた菊川市。食料支援の申請は20、21日だけで20世帯39人に上り、担当者に緊張感がにじんだ。
 県内の24日時点の自宅療養者数は6千人を超え、過去最多を更新した。一方で市町単位の自宅療養者数は自治体に伝わる仕組みになっていないという。支援の需要を予測しにくく、東部の町担当者は「子どもの感染が多いので、対象世帯数など分かるといいのだが」と求めた。
 第5波では自宅療養中の死亡や重症化が全国で問題になった。今回の流行は体調が急変した人を確実に医療につなげる基盤構築が最重要課題となっている。
 県内では自宅療養者と健康観察の連絡が取れなくなった場合、最終的に市町職員が自宅に赴いて安否確認する体制が整備された。
 中部保健所管内の島田市や焼津市など4市2町は感染が再拡大した今月14日、合同会議を開いて一連の流れを確認した。藤枝市は職員が2人一組で対応するなど、万一の際にそれぞれの体制で臨むことになる。
 オミクロン株は重症化しにくいとされるが、感染者の動揺は小さくない。複数の市町によると、デルタ株に比べ発症までの期間が短いこともあってか、自宅療養開始直後の陽性者から「保健所とまだ連絡が取れない。どうすればいいのか」と不安を訴える相談が寄せられている。藤枝市の松野京子健やか推進局長は「自宅療養者へのフォローは体調急変時だけではない。気持ちに寄り添えるよう最善を尽くしたい」と気遣う。
 県新型コロナ対策推進課は「自宅療養者が急増する中で市町の協力は非常にありがたい。自治体が支援しやすいよう連携していきたい」と話した。

 〈メモ〉市町の食料供給 自宅療養者の療養開始から約3日分を提供するのが一般的。県から食料が届くまでの期間を埋める役割を持つ。配送作業は業者に委託するケースのほか、個人情報保護の観点から職員が行う自治体がある。

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