国交省会議の中間報告「JR指導が目的」 流域市町に難波副知事説明「工事認められる状況にない」【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の水問題を巡り、静岡県と流域市町、利水団体でつくる大井川利水関係協議会が20日午前、県庁で開かれた。国土交通省専門家会議の中間報告について、会議にオブザーバー参加していた難波喬司副知事が説明した。難波副知事は「県としては現状では工事を認められる状況にない」との認識を示した上で、流域側の疑問や意見を踏まえて県の見解をまとめ、JR東海に送付して協議を再開する意向を示した。

大井川利水関係協議会でオンラインを交え中間報告をする難波喬司副知事(奥中央)=20日午前、県庁
大井川利水関係協議会でオンラインを交え中間報告をする難波喬司副知事(奥中央)=20日午前、県庁

 難波副知事は、中間報告について「あくまでもJRの指導が目的」と位置付け、「県や地域社会が対話を行う相手はJRで、国交省の会議ではない。報告書はJRに対して県や流域市町との双方向のコミュニケーションを十分に行うことを求めている」と強調した。
 協議会には流域10市町(島田、焼津、掛川、藤枝、袋井、御前崎、菊川、牧之原、吉田、川根本)の首長らと11の利水団体の代表が出席した。開催は2019年5月以来。
 JRとの協議再開に際しては「JRに説明の仕方を考えてもらう。専門家でない人にも分かる資料にしてもらい、一つ一つゼロから説明を求める」と述べ、「国の会議で1年8カ月かかった。それなりの時間がかかるのではないか」との見通しを示した。
 中間報告の内容に関し、中下流域の表流水と地下水の水量を維持するためには、工事期間中も含めたトンネル湧水の全量戻しが必要だとの認識が示されたと説明した。一方で、工事中の全量戻しの方法については評価せず、水質への影響、トンネル残土の処理方法などの議論が不十分だと指摘した。
 県有識者会議の委員も出席し、「データが不足している。JRが今後どのように対応するのかが重要な課題だ」「(県外流出する)水の戻し方に関する詳細な工事設計がJRから示されなければいけない」などと意見を述べた。

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