濃厚接触者でも「陰性」で勤務 市立静岡病院、2021年春から先行実践 ワクチン効果など総合判断

 静岡市立静岡病院(同市葵区)が、院内の医療従事者が新型コロナウイルスの濃厚接触者になっても、陰性であることを確認した上で勤務する体制を昨春から独自に取り入れていたことが、13日までの同病院への取材で分かった。オミクロン株対策で政府が自治体に通知した内容を先行して実践していた格好だ。病院幹部は「感染爆発が予想される『第6波』はさらに柔軟な対応が必要になる。社会活動の影響を考えれば、対象を医療以外にも広げるよう検討すべきでは」と提言する。

昨年から濃厚接触者の条件付き勤務を実践している院内=13日午後、静岡市立静岡病院(写真の従事者は濃厚接触者ではありません、画像の一部を加工しています)
昨年から濃厚接触者の条件付き勤務を実践している院内=13日午後、静岡市立静岡病院(写真の従事者は濃厚接触者ではありません、画像の一部を加工しています)

 同病院によると、濃厚接触者の条件付き勤務を採用したのは、ワクチンの医療従事者向け2回接種が終了した昨年4月ごろ。ワクチン効果で感染抑制や重症化予防が期待できる▽濃厚接触者を国の規定通り欠勤させれば、数が増えたとき業務が滞る-などを踏まえ、総合的に判断したという。
 実際に濃厚接触者が出勤したケースはいずれも昨年中で、看護師など3人。毎日検査で陰性であることを確認し、感染対策に十分に留意して通常業務に当たった。3人とも陽性にはならなかった。
 濃厚接触者を巡っては、国が自宅などで14日間の待機を求めている。オミクロン株で感染が急拡大する沖縄県では濃厚接触者に認定された医師、看護師の欠勤が相次ぎ、医療提供に支障が出ている。
 政府は沖縄県と同様の事態が全国に及ぶのを避けようと12日、医療従事者が濃厚接触者となった場合、毎日の検査で陰性が確認されれば勤務できると自治体に通知した。昨年8月も同様の通知を出したが、オミクロン株の対応も取り扱いは変わらない趣旨を改めて示した。濃厚接触者に関する国の規定は要請のため、静岡病院のように早期に独自判断することは可能だった。
 県内ではオミクロン株感染者が急増する一方、重症者は少なく、静岡病院の入院患者も13日時点でゼロという。同病院感染管理室長の岩井一也医師(56)は「軽症傾向がみられるオミクロン株は、もはやこれまでの新型コロナとは別の病気。従来の対策を引きずるべきでない」と指摘。濃厚接触者が陽性になる割合は全体の1割未満というデータも引用し、「濃厚接触者の考え方自体を抜本的に見直す時期ではないか」と話した。

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