2021年 静岡県内十大ニュース 熱海土石流/知事辞職勧告/新型コロナ/中部横断道開通/スズキ・修会長退任…

 静岡新聞社が選んだ2021年十大ニュース。トップは熱海市伊豆山に多大な被害を与えた7月の大規模土石流。死者26人、不明者1人の犠牲はあまりに大きく、責任追及が今後本格化する。2位は東京五輪・パラリンピックでの県勢の活躍、3位にデルタ株が猛威を振るった新型コロナと続いた。

土石流が発生し住宅などが押し流された現場=7月3日、熱海市伊豆山
土石流が発生し住宅などが押し流された現場=7月3日、熱海市伊豆山
県議会臨時会で、川勝平太知事に対する辞職勧告決議案の記名投票が行われた。知事は投票が終わるまで目を閉じていた=11月24日
県議会臨時会で、川勝平太知事に対する辞職勧告決議案の記名投票が行われた。知事は投票が終わるまで目を閉じていた=11月24日
土石流が発生し住宅などが押し流された現場=7月3日、熱海市伊豆山
県議会臨時会で、川勝平太知事に対する辞職勧告決議案の記名投票が行われた。知事は投票が終わるまで目を閉じていた=11月24日


❶熱海土石流、26人死亡1人不明


 7月3日午前10時半ごろ、熱海市伊豆山で大規模土石流が発生した。起点の盛り土を含む約5万5千立方メートルの土砂が約2キロにわたって流れ、26人が死亡した。いまだ1人が行方不明になっている。ずさんに造成された盛り土が招いた「人災」との見方が強く、遺族らは刑事、民事の両面で、盛り土を含む土地の現旧所有者らの責任を追及している。県警は強制捜査に乗り出した。現旧所有者への市や県の対応にも問題があったとの指摘もあり、検証が続いている。

❷東京五輪・パラ 県勢活躍に沸く


 コロナ禍による1年の延期を乗り越え東京五輪・パラリンピックが今夏、開催された。7月23日から17日間の五輪は、卓球混合ダブルスで水谷隼・伊藤美誠の磐田市出身ペアが日本卓球界初の金メダルに輝くなど県勢が9個のメダルを手にした。本県が舞台の自転車競技は観客を入れ、盛り上がりを見せた。8月24日から13日間のパラリンピックは、競泳の鈴木孝幸(聖隷クリストファー高出)ら県勢が金6個を含む13個のメダルを獲得した。

❸新型コロナ・変異株が猛威 警戒続く


 新型コロナウイルス感染症は8月、デルタ株が猛威を振るい、流行第5波が発生した。1日の新規感染者は過去最多の675人に上り、自宅療養者は4千人を超えた。その後は小康状態が続いたものの、静岡市で12月27日、新変異株のオミクロン株感染者が県内で初めて確認され、県民の警戒感は再び高まった。3回目のワクチン接種が年明け以降に予定され、行政、医療関係者は「円滑な進行が感染抑制の鍵を握る」と声をそろえる。

❹川勝知事4選、辞職勧告決議可決


 6月の知事選でリニア水問題の解決を訴えた川勝平太知事が自民党推薦候補を破り4選を果たした。知事選後、「ノーサイドではない」と自民に対決姿勢を見せた川勝知事は10月の参院静岡選挙区補欠選挙の応援演説で御殿場市を「コシヒカリしかない」などと発言。県議会は県政史上初となる知事辞職勧告決議を可決した。

❺静岡・山梨両県が富士川復元で覚書


 静岡新聞社「サクラエビ異変」取材班と東京海洋大研究室が行った実験で、採石業者が不法投棄した高分子凝集剤入り汚泥(ポリマー汚泥)が富士川水系に残留している可能性が判明。これを受け静岡・山梨両県は7月27日、河川水や堆積物について共同調査する覚書を交わした。ポリマー汚泥の8割以上が下流に流出したとみられる。

❻衆院選自民5、立民2、無1、細野氏自民入り


 第49回衆院選が10月31日投開票され、県内小選挙区は自民党5、立憲民主党2、無所属1という結果だった。自民は選挙区で敗れた3人全員が比例復活当選し、無所属の細野豪志氏が選挙後に自民入りしたため、国会議員数では改選前を上回る勢力となった。野党共闘の動きから3選挙区で自立一騎打ちになり、立民が2勝した。

❼中部横断道(静岡―山梨)が開通


 中部横断自動車道の南部インターチェンジ(IC)―下部温泉早川IC(山梨県、13・2キロ)が8月29日に開通。静岡、山梨両県を結ぶ南側区間(74・3キロ)が全線開通した。両県庁間は一般国道を利用した場合と比べ約70分短縮の約95分に。観光交流や山梨・長野両県の農産物を清水港から輸出する試みが進みそうだ。

❽スズキの鈴木修氏が会長退任


 1978年の社長就任以来約40年経営トップを務めたスズキの鈴木修氏(91)が2月、株主総会後の会長退任方針を発表した。6月に相談役に就き、鈴木俊宏社長(62)らに経営の第一線を譲った。79年の「アルト」など軽、小型車で数々のヒットを飛ばし、退任前の決算会見では「軽自動車という芸術品は守り通して」と語った。

❾リニア中間報告も解決に至らず


 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の水問題は、国土交通省の専門家会議が12月に中間報告をまとめた。「工事中も含めてトンネル湧水を全量戻せば、表流水は維持され、地下水量への影響も極めて小さい」と結論付けたが、全量を戻す方法は示さなかった。県はJR東海との協議を再開する。JRに対する流域の厳しい声は消えていない。

❿静岡県勢3選手 世界選手権制覇


 3競技の世界選手権で9~11月、本県出身選手が頂点に立った。スポーツクライミングの藤井快(TEAM au、浜松日体高出)が男子ボルダリングを初制覇。体操の芦川うらら(静岡新聞SBS、水鳥体操館)は種目別女子の平均台を制し、ボクシングバンタム級の坪井智也(自衛隊、浜松工高出)も日本勢初の優勝を飾った。
 

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