食楽しみ健康維持追求 ソーイ・石垣哲治社長【聞きたい】

 天然素材にこだわり、健康食品と一般食品の製造と研究開発を進める。新型コロナ禍で消費者の健康への関心は高まっている。食べることを楽しみ、健康を維持できる製品を追求。約200年前に先祖が創業したしょうゆ醸造業の流れをくむ。健康を柱に製造者と販売者、消費者の「三方よし」を目指す。

石垣哲治社長
石垣哲治社長

 ―主力製品「サナカルペ」の特徴と販促強化策は。
 「パン生地の発酵状態を向上させ、香りを良くする酵母用栄養液。こうじを主体とした複数の微生物により小麦胚芽と小麦粉を発酵させている。新型コロナ感染抑制に効くとされるアミノレブリン酸を多く含み、腸の活性化作用を持つ水溶性食物繊維も増す。県内外のパン屋などから引き合いはあるが、学校給食をはじめ需要のある分野に売り込む」
 ―健康にこだわる消費者が増える中、食品会社の責務は。
 「生物起源の微生物の力を借りて発酵技術を駆使し、小麦粉製品全般の生地品質改良材の開発と販売に傾注している。より自然な形の食品製造が不可欠。アレルギーを考慮した製品開発も進める。温室効果ガスを排出する加熱作業を抑えた加工法の開発も手掛け、地球環境に配慮した取り組みが欠かせない」
 ―素材本来の良さを生かすという約200年の前身事業の理念が脈々と生きている。
 「発酵技術は古くから使われ、今でも用いられている。古くて新しい手法。温故知新の精神を大切にしたい」
 
 いしがき・てつじ 東京大大学院で農学博士を取得後、先代が1984年に設立した会社を2010年に引き継いだ。沼津市出身。55歳。

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