本にちなんだ献立「おはなしランチ」 三島市の小学校の工夫【給食のいま@しずおか④】

配膳後に残った物は、希望者がおかわりしていた
配膳後に残った物は、希望者がおかわりしていた

 「三島市の小学校の給食はおいしい」(三島市、30代のパート主婦)
 LINEでこんな投稿が寄せられた。三島市の小学校給食は、他市町と何か違うのか。調べてみたら学校にある調理場での調理(単独調理場方式)、ほかほかご飯を提供する炊飯器、読書月間にちなんだ献立などの特徴があると分かった。市内の小学校を訪ねた。 photo01 校内の給食室から、児童が温かいままの給食をワゴンで運ぶ
 11月下旬、市立錦田小学校。お昼の12時過ぎ、校舎1階の給食室から食缶や食器を載せたワゴンが次々と出てきた。ワゴンは各クラスに運ばれ、教員や給食当番の児童が手際良く配膳した。よく見ると、ワゴンには1升炊きの炊飯器が2つ。配膳時は電源コードは外されていたが、ご飯からは白い湯気が上っていた。おかずも校内で調理された出来立て。児童は、給食室を出てから30分程度で温かい給食を頬張っていた。 photo01 この日のメニュー。「かんしょみしまコロッケ」、かきたま味噌汁など
 この日は、本にちなんだ献立を提供する企画「おはなしランチメニュー」の日。絵本「たべもんどう」(ブロンズ新社)にちなみ、三島甘藷コロッケが提供された。食事中、各教室の電子黒板からは「絵本では早口言葉やクイズが楽しめます」「図書室に展示してあります。ぜひ借りてください」など、図書委員の児童が本を紹介する動画が流された。1年生の教室では、担任の「本を読んでみたくなった人?」の問いに、多くの児童が手を挙げた。 photo01 電子黒板から、図書委員による絵本の紹介動画が流れた

 栄養士と学校司書によると、錦田小では6月と11月を「読書月間」に設定。月間中には週1回ほどのペースで、児童に五感を使って本の世界を楽しんでもらうため、「おはなしランチメニュー」の日を設けている。 photo01 児童は同じ方向を向き、給食を味わっていた

 図書委員の児童が事前に、食べ物が登場する本を数冊選んで栄養士に提案。栄養士が栄養や衛生の観点から絞り込み、給食で提供する献立を決めるーという流れだ。図書室には企画の元になった絵本や、食べ物の絵本の特設コーナーも設置。「企画後は読書の幅が広がる」(学校司書)という。 photo01 図書室には、食べ物にちなんだ本の特設コーナーも設置された
 市教委によると、三島市内の小学校は全て、校内の調理場で調理する「単独調理場方式」。中学校は一部の学校の調理場で作った給食を近隣校に届ける「共同調理場方式」だ。ちなみに、県教委の2019年度の調査によると、県内で学校給食が単独調理場方式のみの市町は熱海市、清水町、函南町、小山町にとどまる(調理場を持つ学校が調理した給食を他校に配送する「親子方式」は含まない)。自校内で作った給食を食べられる学校は多くないようだ。
  photo01 コメの消費拡大のために導入された炊飯器
 炊飯器は10年以上前、農林水産省が地元産米を使った米飯給食の回数増加を目的に行った電気炊飯器購入事業補助の一環で導入された。県内での導入は三島市のみとみられる。図書と連動した給食提供は三島市内の複数の小学校で行われている。
 市教委によると市内ではこの他、JAが大小の生産者から野菜を買い取って給食用に学校へ届ける「デリバリー事業」も10年ほど前から続いている。生産者にとっては需要を確保でき、学校側にとっては給食の地産地消を推進できるという利点があり、他市町からの視察もあったそうだ。

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