川勝知事に辞職勧告決議 議会との関係改善遠く【追跡しずおか2021⑤】

 毎年恒例の県議会各会派による県当局に対する来年度の予算要望。17日に行われた県議会最大会派自民改革会議と県当局との折衝の場に川勝平太知事の姿はなかった。11月24日に自民会派主導で行われた県政史上初となる知事辞職勧告決議の可決から1カ月がたとうとしているが、自民側は知事との交渉ルートを閉ざしたままだ。

知事辞職勧告決議案の採決を行う県議ら=11月24日、県庁
知事辞職勧告決議案の採決を行う県議ら=11月24日、県庁

 知事選、参院静岡選挙区補欠選挙、衆院選と立て続けに選挙が行われる中、県政は舌禍に揺れた。辞職勧告決議案提出の引き金となったのが、10月の参院補選の応援演説で発せられた川勝知事のいわゆる「コシヒカリ発言」。全県の代表である知事が御殿場市は浜松市より劣ると取られかねない発言をし、県内外から大きな批判が巻き起こった。
 知事は当初、対立候補に対する批判だったと釈明し、明確な謝罪をしなかったことから問題は深刻化。自民は法的拘束力があり失職に追い込める不信任決議案の提出に動いた。知事に近い第2会派ふじのくに県民クラブからの“造反”が見込めず、自民は辞職勧告決議に切り替えたが、可決の意味は重い。
 川勝知事は「県議会にはやくざ、ごろつきもいる」と発言したり、菅義偉前首相を「学問をされた人ではない」とやゆしたり、問題発言をしては撤回してきた。6月の知事選でも相手候補の肩書など不正確な発言を繰り返し、女性差別とも取れる発言をしていたことも明らかになった。切れ味いい発言は県民からの支持につながっている一方、もろ刃の剣であることを今回の騒動が示した。
 現時点で自民側に歩み寄りの気配はないが、自民関係者は「来年度予算は今まで以上に自民の意向が反映されるだろう」と対立の“効用”をささやく。今後も続くであろう知事と議会の対立が県民生活にどのような影響を及ぼすか、注視していく必要がある。

 <メモ>不信任決議は出席議員の4分の3以上の賛成が必要。辞職勧告決議は過半数の賛成で可決するが、法的拘束力がない。11月24日の臨時会で議長を除く出席議員66人のうち自公と無所属の計47人が辞職勧告決議案に賛成し、可決した。

 

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ