ランプシェード 木の息遣い暮らしに 中矢嘉貴さん(富士宮市)【ものづくりびと 県内作家の小さな工房】

 富士宮市の中矢嘉貴さん(49)が富士山麓で育った木で作るランプシェードは、使い続けると形や色が少しずつ変化するという。明かりをともせば滑らかな木肌が浮かび上がる。木の息遣いが聞こえてきそうだ。

見る角度により形を変え、飽きずに使えそうなランプシェード
見る角度により形を変え、飽きずに使えそうなランプシェード
中矢嘉貴さん
中矢嘉貴さん
見る角度により形を変え、飽きずに使えそうなランプシェード
中矢嘉貴さん

 中矢さんは、造船重機メーカーで設計の仕事をしていたが、「自然素材を使って一生続けられる職を」と、木工の道に飛び込んだ。飛騨高山で家具作りを学んだ後、妻の故郷である富士宮市の環境が気に入って白糸ノ滝近くに工房を構えた。
 自然豊かな地で木工をなりわいにしていると、伐採されたり、台風で折れたりした木が持ち込まれる。家具には適さないこともあり、「生かせなくてどうする」と作り始めたのがランプシェードだった。カヤ、カシ、モミジ、クワ、サクラ…。扱う木はさまざま。まだ水分を含んだ状態で削り、1カ月近く掛けて乾燥させる。木工旋盤で0・5~1センチまで薄くするが、削りすぎるとゆがみが強くなる。木の特性、切り出された後の保管状況から試行錯誤する。
 朽ちていく過程でシミが入ってしまった木材は、鉄分と木に含まれるタンニンを反応させる鉄媒染によって“味”に変える。「捨てられてしまうものでものづくりができることに魅力を感じている。形を変えても木は生きている」

 なかや・よしたか 京都府出身。2009年に富士宮市内野に工房「木[こ]もの NAKAYA」を開設した。器や小物も作るほか、家具のオーダーも受け付けている。商品はウェブサイト<https://www.komono-nakaya.com>で販売している。

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