川勝知事「着工判断、県側に委ねられた」 国土交通省専門家会議・中間報告【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の水問題を巡り、静岡県の川勝平太知事は22日の定例記者会見で、国土交通省専門家会議の中間報告を受けて「(着工を)受け入れるのか、受け入れないのか判断は県側に委ねられている」と述べ、斉藤鉄夫国土交通相から21日に指導を受けたJR東海に対しては「丁寧に分かりやすく説明すること」を要請した。
 県有識者会議で中間報告の中身を精査する方針を明らかにし、減水対策として求める「トンネル湧水の全量戻し」の具体的な方法を含めて「詰めるべき内容がたくさんある」との認識を示した。
 中間報告で「極めて小さい」と表現された中下流域の地下水量への影響は、「トンネル湧水の全量を戻せば」「表流水量の季節や年ごとの変動の影響に比べて」などの前提条件付きだったとし「(県有識者会議で)前提条件の議論が出てくるだろう」と指摘した。
 全量戻しについては「方法が書かれておらず、できるか、できないか分からない。全量戻しができなければ工事ができないと思う人が多いのでは」との見解を示した。
 JR東海の金子慎社長に流域住民の不安や懸念を払拭(ふっしょく)するよう指導した斉藤国交相に対しては、会議設置前の県との合意事項を約束通り実行してくれたとして「感謝に堪えない。重ねて厚くお礼を申し上げたい」と言及した。

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