国交相「地域の懸念払拭を」 JR東海に異例の指導 水問題中間報告受け【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に伴う大井川の水問題を議論した国土交通省専門家会議の中間報告を受け、斉藤鉄夫国交相は21日、JR東海の金子慎社長を同省に呼び、流域住民の不安や懸念を払拭(ふっしょく)するよう指導した。「事業を進めるには地域の理解と協力が何にも増して不可欠だ」と強調した。

斉藤鉄夫国交相(右)から指導を受けるJR東海の金子慎社長=21日午後、国交省
斉藤鉄夫国交相(右)から指導を受けるJR東海の金子慎社長=21日午後、国交省

 法令違反や事故がない状況で、国交相が事業者を呼び指導するのは異例。リニア事業を認可した監督省庁として、認可時に事実上の条件とした「地域の理解と協力を得ること」を改めて指導し、円滑な事業実施を求めた形だ。金子社長は「理解と協力を得られるよう努力する」と応じた。
 斉藤氏は、中間報告で示されたトンネル掘削に伴うリスク対応とモニタリングの実施▽歴史的な経緯や地域のこれまでの取り組みを踏まえた真摯(しんし)な対応の継続―の2点を特に訴えた。リニア事業を「公共性が極めて高いプロジェクト」とし「地域の方々と理解し合いながら事業を進めてほしい」と求めた。
 冒頭以外は非公開。金子社長は面会後、記者団に「大臣の話を承った。中間報告には(JR東海への)要請事項も含まれる。真摯に対応したい」と述べた。流域住民への説明やトンネル湧水の全量戻しの方法に関しては「具体的な進め方は何も決まっていない」とした。
 専門家会議は県側とJRの協議が行き詰まったため、JRへの指導を目的に昨年4月に設置され、19日に中間報告をまとめた。

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