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特集 : 福祉・介護

全職員が認知症状学ぶ 高齢化に対応 沼津市立図書館

 沼津市立図書館(同市三枚橋町、尾和富美代館長)が「全ての人に優しい図書館」の実現に向け始動した。特に近年、高齢者の利用が増え、中には認知症とみられる人も来館していることから、認知症の特徴を学ぶ講座を全職員を対象に初開催。相手の立場に立って対応することや、穏やかな話し方を心掛けることなどを学び、障害者も含め全ての利用者に実践していくことを確認した。

認知症の人への対応について意見を交わす職員=12月上旬、沼津市立図書館
認知症の人への対応について意見を交わす職員=12月上旬、沼津市立図書館


 市内の高齢化の加速に伴い、高齢者の図書館の利用も急増。特に平日の日中は顕著という。これまで、本や資料を借りる際に必要な利用者カードを紛失したり、やりとりがかみ合わなかったりと「もしかしたら認知症の人では」と思われるケースがあったという。同市の高齢化率も30%を超えるなど、今後も同様のケースが想定されるとして、適切な対応を習得しようと講座を企画した。
 「職員が認知症の人の傾向をつかめば、素早く察知でき適切な対応につながる。利用者に不快な思いをさせないで済む」と尾和館長。講座は1日に同図書館で開き、約50人の職員が市長寿福祉課主任介護支援専門員の佐藤智道さんから受講し、対応する際の三つの心得(驚かせない、急がせない、自尊心を傷つけない)などを学んだ。
 対応事例として、借りる本を予約した78歳の高齢者がそれを忘れ、確認しようとしたら「予約していない。ばかにするのか」と怒ってしまった場合について意見交換。「『このジャンルの本、お好きでしたよね』とこちらが薦める」など相手の気持ちを尊重した上で対応すべきと実体験を思い浮かべながら披露しあった。
 佐藤さんは「この姿勢は全ての人に応用できる」と強調。尾和館長も「図書館は地域密着の施設で、さまざまな年代やいろいろな人が訪れる。気持ちよく利用できるよう人に優しい施設づくりに取り組む」とした。

 ■市の支援策紹介
 沼津市長寿福祉課主任介護支援専門員の佐藤智道さんは1日の講座で、相談機関や支援内容をまとめ同課で配布している「認知症ケアパス」や、認知症高齢者見守りシールなど市の支援策も取り上げた。徘徊(はいかい)の恐れがある人の持ち物にQRコードを付けた見守りシールは、読み込むと現在地が把握でき、家族や介護者の負担軽減や地域の見守り態勢構築につながる。実際に活用して確認できたケースが最近あったという。

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