データ開示に成果も、根本的課題踏み込まず JR指導役・国交省会議【大井川とリニア】

 JR東海の指導役として大井川中下流域の水利用に関する中間報告を19日にまとめた国土交通省専門家会議は、データ開示が不十分だった同社からデータを引き出し、水が減るリスクを認めさせて対策を促すなど一定の成果を挙げた。ただ、大井川直下など重要箇所の地質調査や影響回避の具体的な対策など根本的な課題に踏み込まず、指導不足の面は否めない。

国土交通省が主催する専門家会議の位置付け
国土交通省が主催する専門家会議の位置付け

 全13回の傍聴取材を振り返ると委員同士の会議内での意見は的を射た指摘が多かった。問題は事務局を担った同省鉄道局による会議運営だ。会議の傍聴を一部関係者に限定するなど、透明性や中立性を巡り流域に不信感も生んだ。鉄道局は南アルプスルートを含むリニアを事業認可した立場にあり、限界があったのではないか。河川担当の部局が会議を仕切るべきだった。
 利水者からはトンネル湧水の全量戻しの具体的方法を含め「困っている部分を議論してくれていない」という声が上がる。積み残した課題は多く、JRの姿勢が改善されなければ、県との対立が再燃する恐れもある。

 ■島田市長「今後も流域一丸」
 リニア中央新幹線建設を巡る大井川の水問題について国土交通省専門家会議が中間報告をまとめたことを受け、島田市の染谷絹代市長は19日、「有識者の皆さんが真摯(しんし)に議論した結果を尊重したい」とした上で「水を守るという意思は変わらない。県の有識者会議で今後行われる議論の行方を注視し、県や流域市町一丸となって対応する」とコメントした。今後の具体的な課題としてトンネル湧水の戻し方やリスク管理などを挙げ「流域や利水者の声をしっかり受け止めていただきたい」と強調した。

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