沼津鉄道高架、土地収用完了 市長、事業推進へ決意

 JR沼津駅付近鉄道高架事業に必要な沼津市原地区の新貨物ターミナル整備で、静岡県は19日、物件撤去に応じていない元地権者1人の移転用地で実施した行政代執行を終了した。頼重秀一市長は「沼津だけでなく県東部全体の発展に寄与する。着実に進めていく」と、事業推進への決意を改めて示した。

沼津鉄道高架事業 工事着手後の進捗イメージ
沼津鉄道高架事業 工事着手後の進捗イメージ

 代執行は県市職員ら約80人が同日朝から午後3時前までに、元地権者所有の工作物や立ち木などを撤去した。終了後、代執行庁の県が対象地1435平方メートルを市に引き渡し、新貨物ターミナル移転に必要な全用地約9万2千平方メートルの収用が完了した。今後は埋蔵文化財調査や造成工事などを行った上で貨物駅を移転し、高架化に取り掛かる。着手から完成まで約13年を見込む。
 移転用地取得に向け、市と地権者約170人との交渉が始まったのは2004年。川勝平太知事の発言による一時凍結もあったが、その間に有識者会議やパブリック・インボルブメント(PI)を行い、事業の妥当性を確認した。頼重市長は経緯を振り返り「長い期間にわたり、地権者はもちろん地域住民に多大な協力をいただいた」と感謝した。一方、明け渡しに応じなかった元地権者には「自主撤去が望ましかった。代執行という形になって残念」と話した。
 川勝知事は「(就任当初は)平和裏に解決するように誓ったことを覚えている。代執行はやりたくなかった」と振り返った。元地権者たちに対して「複雑な気持ちを抱えた上で譲っていただいた」とし「無念の気持ちが晴れ、長期的には(立ち退いて)良かったと思われるようにするのがわれわれの務めだ」と強調した。

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