沼津鉄道高架事業、19日に強制収用 静岡県、元地権者に通告

 JR沼津駅付近鉄道高架事業に伴う沼津市原地区への新貨物ターミナル整備で、静岡県は8日、移転用地の物件撤去に応じない元地権者1人に対し、19日の行政代執行(強制収用)の実施を通知したと発表した。

元地権者(右)宅に最後の交渉に訪れた県職員=8日午前、沼津市(画像の一部を加工しています)
元地権者(右)宅に最後の交渉に訪れた県職員=8日午前、沼津市(画像の一部を加工しています)

 これに伴い、川勝平太知事は「本人(元地権者)の意思は固く、明け渡しに応じてもらえず誠に残念。手続きは進めるが、自主的な撤去を期待する」とのコメントを出した。沼津市の頼重秀一市長も「幾度となくお願いしてきたが、撤去してもらえなかったことは残念。代執行の実施日までに、明け渡していただけることを期待する」とコメントした。
 代執行の対象は1435平方メートルの用地にある工作物や立木など。県の担当者が8日、同市の元地権者宅を訪問し、物件の撤去を求めたが、応じなかったため、代執行の時期や費用を記した代執行令書を元地権者に示すとともに、元地権者宛てに郵送した。
 県は昨年11月、元地権者に明け渡し期限を通告する戒告を行い、今月5日が履行期限だった。県や沼津市の担当者がこれまで繰り返し元地権者を訪ね、明け渡しに協力を求めてきたが、理解を得られなかったという。

 元地権者 反対貫く意向
 JR沼津駅付近鉄道高架事業に伴う沼津市原地区の新貨物ターミナル移転用地収用を巡り、県が行政代執行(強制収用)の実施を発表した8日、物件撤去に応じていない同市の元地権者は反対を貫く意向を改めて強調した。川勝平太知事、頼重秀一市長は実施日までの自主的撤去に期待したが、代執行は避けられそうにない。
 「最後のお願いをしたが意思は固く、無理だと分かった。われわれも今後の手続きを進めたい」。8日正午、同市の元地権者宅を訪れた2人の県職員は報道陣の取材に対し、明け渡しに応じなかった元地権者に代執行の実施を通告したと明かした。実施日は19日から4日間。元地権者の久保田豊さん(81)は「『19日までに物件を片付けて』と言われたが協力できない。県の判断に納得いかない」と語気を強めた。
 既に用地を明け渡したが、事業に反対する別の元地権者は「市民の土地を公権で奪うのは問題。川勝知事は以前『強制収用はしない』と言ったのに、公の発言を翻すなんてとんでもない」と批判した。元地権者らが国と県を相手に、事業認定の無効確認などを求めた訴訟は静岡地裁判決で敗訴したが、東京高裁に控訴中。この元地権者は「最後まで裁判で闘う」と話した。

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