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菊川市長に新人長谷川氏 12年ぶり無投票

(2021/1/18 09:21)
無投票で当選を決め、支援者から花束を受け取る長谷川氏(右)=17日午後、菊川市加茂
無投票で当選を決め、支援者から花束を受け取る長谷川氏(右)=17日午後、菊川市加茂
長谷川氏(左下)の演説に耳を傾ける市民。集まった住民の数は少ない=17日午前、菊川市役所庁舎東館横のきくる広場
長谷川氏(左下)の演説に耳を傾ける市民。集まった住民の数は少ない=17日午前、菊川市役所庁舎東館横のきくる広場

 任期満了に伴う菊川市長選と市議選が17日告示され、市長選は新人で元県職員の長谷川寛彦氏(59)=自民、国民推薦=以外に立候補の届け出がなく、無投票で初当選が決まった。同市長選の無投票は12年ぶり。市議選は定数17に対し、現職12人、元職1人、新人9人の計22人が立候補し選挙戦に入った。
 市議選の投票は24日午前7時~午後8時に市内17カ所で行われ、午後9時から堀之内体育館で開票する。期日前投票は18~23日に市役所本庁舎と小笠支所で受け付ける。16日現在の選挙人名簿登録者数は3万7378人(男1万8841人、女1万8537人)。
 長谷川氏は与野党や各種団体の幅広い支援を取り付け、天竜浜名湖鉄道社長として発揮した企画力をアピールしながら市の活性化を訴えた。当選が決まった午後5時すぎ、同市加茂の選挙事務所に戻った長谷川氏は支援者から歓声と拍手で祝福され、「コロナで苦しい状態はしばらく続く。一つ一つ市民の声を聞いて、『住みたいまち菊川』にするため全身全霊で頑張っていく」と抱負を述べた。

 ■盤石態勢、関心は低調 遊説閑散「論戦聞きたかった」
 菊川市長選での新人の無投票当選は2005年の市制施行以来初で、静岡県内でも珍しい。選択の機会を逸した市民の間からは「盤石の証しだ」という支持の一方、合併から16年近くたっても埋まらない旧小笠町との発展の格差を巡って「コロナ禍を乗り越え、市の将来像をどう描くのか、論戦が聞きたかった」と残念がる声も聞かれた。
 4期務めた太田順一市長(70)から事実上の後継指名を受けた長谷川氏。出陣式には約200人が集まり、太田市長をはじめ、与野党の国会議員や地元有力者らが顔をそろえて盤石さを見せつけた。支援する市商工会の役員は「対抗馬を出せないほど支援者の力が大きかった。この様子なら円滑な市政運営が期待できるのでは」と胸を張った。
 告示前、一部市議が独自候補の擁立を目指したほか、企業経営者ら複数の出馬を探る動きがあったが、長谷川氏の組織力の強さから勝利が見込めず実現しなかった。ただ、出陣式の後、遊説を聞きに訪れた聴衆は市役所付近の広場では20人程度。コロナ禍の中とはいえ一般市民の関心の薄さと長谷川氏の知名度の低さをうかがわせた。合併後ずっとかじ取りを担ってきた太田市政への総括を問えず、市内の女性(73)は「菊川駅北開発など積み残した課題を長谷川氏が検証してくれるのか注目したい」と語った。
 旧小笠町区域の商店主らは「また旧菊川町の市長か」と一様にため息をついた。人口比で旧菊川町の半分に満たず、駅やインターチェンジもない同区域は、かつての中心商店街の衰退が続く。40代の女性店主は「小笠はいつも置いてきぼり。もっと気持ちとお金を傾け、洪水対策にも力を入れてほしい」と均衡ある市政の発展を求めた。

 ■アピールの機会減
 県立大国際関係学部・前山亮吉教授(政治学)の話 地域で1人の候補者に絞ることができたのは、市が安定している証拠とも評価できる。しかし、新人候補者にとってアピールの機会が減り知名度を上げられなかった。自身の存在を市民に浸透させることができなければ、市民の市政への関心は薄れ、市の活性が失われる。選挙は当選が目的ではなく、当選して何をするか。新市長は楽な関門を通った分、今後4年間の市政運営で真価が問われる。

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