静岡新聞NEWS

知事の「総合区」発言、浜松で波紋 「まずは区再編」

(2021/1/8 09:30)

 川勝平太知事が浜松市の行政区再編に絡み、天竜区への「総合区」導入を提案し、鈴木康友市長が議論の対象となり得るとの見方を示したことが市内で波紋を広げている。通常の行政区より区長に強い権限が与えられる総合区。市議会特別委で具体的な再編の在り方の議論が続く中での突然の発言に、同市関係者からは7日、戸惑う声が漏れた。
 川勝知事は6日に開かれた浜松商工会議所の新年祝賀会に来賓出席した。市内7区のうちで最も人口の少ない天竜区の自立性確保の必要性を強調し、「ぜひ浜松市が総合区にしてほしい」などと発言。次にあいさつした鈴木市長は「自治権を高めることは大きなアイデア。検討していきたい」などと述べた。
 市議会特別委の高林修委員長(自民党浜松)は「総合区の制度については以前から調べているが、知事が行政区再編について発言されたのは遺憾」とした上で、あくまでも特別委で合意した協議の優先順位に従って議論を進める考えを示した。市幹部は「知事の真意は分からない」と前置きした上で、具体的な再編案検討に当たっては「天竜区を中心とした中山間地域の特異性に配慮した議論は必要になる」と語る。
 天竜区自治会連合会の三室正夫会長は「昨年11月に区の再編についての説明を市と議会から受けたばかり。総合区は、唐突に出てきた雲の上の話のように感じる」と困惑の表情を浮かべた。
 区再編に前向きな地元経済人の一人は「まずは区再編の実現が先ではないか。今の区割り議論に総合区を入れると、話が複雑になる」と懸念する。祝賀会の出席者からは「市長が知事に気を使った部分もあるのでは」とおもんばかる声も出た。

 <メモ>総合区は、住民自治の強化などを目的に政令市で導入できる制度。行政区の区長は市長が任命する一般職なのに対し、総合区の区長は市長が議会の同意を得て選任する特別職。総合区長は市長への予算提案権などを持ち、区民は区長をリコールできる。全国でまだ導入事例はないが、大阪市で導入に向けた動きがある。

静岡政治の記事一覧

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿