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知事と政令市長、対話不足? 「調整会議」「G3」開かれず

(2020/11/23 08:35)
知事と静岡、浜松市長による「県・政令指定都市サミット(G3)」は2016年以降、休止状態が続いている=16年12月、静岡市駿河区
知事と静岡、浜松市長による「県・政令指定都市サミット(G3)」は2016年以降、休止状態が続いている=16年12月、静岡市駿河区

 道府県と政令市の二重行政解消を目的に2016年に改正地方自治法に基づいて設置された「調整会議」が、県内では一度も開かれず、トップ同士の政策対話の機会が限定された状態が続いている。「静岡型県都構想」を持論とする川勝平太知事は、大都市制度の議論の場として調整会議の開催に意欲的で、鈴木康友浜松市長も前向きだが、田辺信宏静岡市長は「実務的に連携が取れている」と消極的で、開催の見通しは立っていない。
 県内では浜松市が政令市になる前年の06年、当時の石川嘉延知事の呼び掛けで静岡、浜松両市長との「県・政令指定都市サミット(G3)」が始まった。以降、11年連続で開催されたが、16年のG3で静岡市清水区の桜ケ丘病院移転問題などを巡り川勝知事と田辺市長が衝突、開催が途絶えた。川勝知事はG3を発展的に解消し調整会議を定期開催することを提案したが、合意に至らなかった。
 県はこうした経緯を踏まえ18年から、知事と圏域ごとの市町長による会議「地域サミット」に静岡、浜松両市長の参加を求め、意見交換の機会にしている。ただ、ウェブ会議で開催された今年の地域サミットは、鈴木市長が副市長を代理で立てて不参加。田辺市長も中部5市2町の首長が同時に参加した時間の制約上、知事とのやりとりは限られた。
 川勝知事は10日の記者会見で「喫緊の課題」として桜ケ丘病院移転やリニア中央新幹線工事用トンネルの土砂置き場の問題を挙げ、調整会議開催の意思が「一貫してある」と強調した。一方で「やみくもに会って感情的な対立になったら何もならない」とも語り、環境が整っていないとの認識も示した。
 田辺市長は同日の会見で「県と市は実務的に連携が取れている。それに任せるのがいいのではないか」とし、改めてトップ協議の必要性を否定した。田辺市長が開催に消極的な背景には、知事の県都構想への反発があるとみられている。
 鈴木市長は取材に「県と政令市は調整や連携すべき事項があるので、できればやるべきだ」との意向を示した。ただ、市幹部は「知事と市長は必要な時は電話で話せる関係で支障は生じていない」とし「トップ同士が会うとなると何らかの結果を出さなければならず、事前にかなりの調整が必要になる」と指摘した。

 <メモ>調整会議 道府県と政令市の二重行政を解消し、事務処理を調整するための協議の場。2014年の地方自治法改正により、16年4月に設置された。開催を求められた政令市または道府県は協議に応じなければならないと規定している。県地域振興課によると、9月1日現在で全国20政令市のうち10市が、県有施設の取り扱いや防災・減災の取り組みなどを巡って開催済み。

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