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JRの湧水資料公表拒否 流域「信頼関係築けない」反発 着工後の透明性にも疑念【大井川とリニア】

(2020/10/25 08:57)
「大井川直下」の地質調査など段ボール10箱分の資料を巡る経緯
「大井川直下」の地質調査など段ボール10箱分の資料を巡る経緯

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題で、JR東海が環境影響評価で使用した地質調査などの資料を公表するよう求めた静岡県の要請を流域住民に不安を与えるとして2度にわたり拒否したことに、流域の利水者が「全て開示して説明するのが当然」「信頼関係が築けない」などと反発している。着工後、工事の透明性が確保されるのか疑問視する声も上がる。
 静岡新聞は9月、JRの地質調査資料に大井川直下でトンネル本線を掘る際の留意点として「涵養(かんよう)された地下水が大量に存在している可能性があり、高圧大量湧水の発生が懸念される」と記されていると報じた。JRは資料の一部を抜き出した不適切な報道と批判。一方で県は、JRに資料の公開を求めている。
 JRの対応について、農家に水を供給する大井川土地改良区の内田幸男理事長は取材に「公表しない方が余計に不安を与える」と語気を強める。JRの金子慎社長は「隠していない」と強調するが、内田理事長は「公表しないのだから隠しているのと変わらない」との受け止めだ。
 JRは県に対する20日の回答文書で、国土交通省の専門家会議で委員の要請があれば丁寧に説明するとした。だが、資料を全面開示する方針は示していない。牧之原台地の利水施設を管理する牧之原畑地総合土地改良区の三浦俊夫事務局長は「論外。不安解消どころか、かえって疑念を抱く。持っている資料は全て出し、具体的な対策を示して」と求める。生活用水を供給する大井川広域水道企業団の秋山雅幸企業長は「とんでもない話で、利水者を小ばかにしている」と憤る。
 今後のリニア工事に関する情報開示を懸念する声も上がる。内田理事長は「JRは着工後、都合の悪い状況が起きた時にありのままの情報を公表できるのか」と指摘。秋山企業長も「地元の人と信頼関係を築こうという姿勢が感じられない」と述べた。
 JRは県への回答文書で「流域の不安を解消したいとの思いは県と同様に強く有している」としている。

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