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所有者不明、違反広告に苦慮 静岡県、代執行で初の撤去 費用や手続きに課題も

(2020/10/23 08:47)
略式代執行で所有者不明の違反広告物を撤去する県関係者=9月末、函南町(県提供)
略式代執行で所有者不明の違反広告物を撤去する県関係者=9月末、函南町(県提供)

 静岡県は来年の東京五輪・パラリンピックを見据え、設置が禁止された地域に立てられた看板など違反広告物の対策を伊豆半島で強化している。その中で対応に苦慮しているのが、所有者の分からない物件。県は9月末、幹線道路沿いに設置されていた違反広告物を危険性が高いと判断し、略式代執行による撤去に初めて踏み切った。ただ、略式代執行をした場合、行政が費用を負担しなければならないなど課題が残る。
 今回、撤去したのは特別規制地域に当たる函南町の熱函道路沿いにあった立て看板の骨組み。腐食した金属製の柱は穴が開き、盤面はなくなって“歯抜け状態”になっていた。県は景観を損ねている上に老朽化が著しく、公衆への危害防止の観点から安全性が確保できないと判断した。
 所有者を調べるため、土地所有者の確認や周辺住民への聞き取りを実施。県屋外広告物審議会の現地調査を踏まえて委員から意見を聴いた上で、撤去の必要性が高いとして警告書を貼り付けたり、公告したりして慎重に略式代執行の手続きを進めた。9月末に物件を撤去した後、屋外広告物法の規定により県東部総合庁舎で来年3月末まで保管している。
 県景観まちづくり課によると、所有者が不明の物件は違反広告物全体の1割程度。今回、撤去した物件は危険性が高かったため略式代執行に踏み切ったが、この手法が抜本的な解決策につながるのかは不透明だ。今回の撤去にかかった費用は約40万円で、県が負担することになる。担当者は「税金の投入につながるため、略式代執行には慎重に対応したい」と説明する。土地所有者の協力を得て所有者不明の違反物件が撤去される事例もあるが、多くは放置されたままだという。

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