川勝知事の発言波紋、自民申し入れへ 他会派も苦言「言い過ぎだ」 学術会議任命拒否問題巡り

 日本学術会議の新会員候補6人の任命拒否問題を巡り、川勝平太知事が7日の定例記者会見で「菅義偉首相の教養レベルが図らずも露見した」などと発言したことが、波紋を広げている。県には県民から批判の電話やメールが相次ぎ、県議会最大会派の自民改革会議は「学歴差別につながる発言」だとして、近く知事に申し入れをする方針を決定。他の会派も「言い過ぎだ」と苦言を呈した。

日本学術会議を巡る自身の発言について取材に応じる川勝平太知事(左)=12日午前、県庁
日本学術会議を巡る自身の発言について取材に応じる川勝平太知事(左)=12日午前、県庁

 ▶川勝知事「菅首相の教養レベル露見」 学術会議問題で批判
 発言はSNSを通じて拡散し、知事の発言を問題視するコメントが大半を占めた。「リニアを邪魔する知事」などの書き込みも見られ、リニア中央新幹線の開業遅れの原因が本県にあるという偏見の助長につながっている状況がうかがえる。県広聴広報課によると、7~11日に401件の批判が寄せられ、肯定的な意見は39件にとどまった。12日も電話やメールが絶えなかった。
 「過去にも行きすぎた言動で本質と懸け離れた部分で物議を醸すことが多々あった。同じ轍(てつ)を踏むことを遺憾に思う」。自民改革会議の中沢公彦代表は同日、記者会見で知事を厳しく批判した。会派や各議員にも対応を求める意見が多く寄せられているとし、同日の議員総会で知事への申し入れを決めた。山田誠議長も「公の場で個人の資質に言及するのは遺憾だ」と語った。
 知事に近いふじのくに県民クラブの阿部卓也会長は「学問の自由を政治権力でゆがめるべきではないとの思いには共感する」と一定の理解を示しつつも「誤解を生むような物言いは避けた方がいい。十二分に言葉を選んでほしい」と求めた。
 公明党県議団の蓮池章平団長は「首相は国民に分かりやすく説明すべきだ」とする一方、知事の発言には「言い過ぎでは。教養レベルの話なのか。個人攻撃と見られる。発言の意図をしっかり説明しないと誤解される」と懸念を示した。
 一方、共産党の鈴木節子県議は「学術会議への人事介入はあってはならないこと」と強調し「学問の軽視に対し、知事なりに学者として一言、言わずには置けなかったのでは」と擁護した。

 ■「訂正の必要全くない」
 川勝知事は12日、日本学術会議の会員選任を巡る自らの発言について「訂正する必要は全くないと思っている」と強調し「大切なのは学歴ではなく学問。菅首相が学問を本当に大切にしている人かどうかについて疑問を持った」と発言の意図を説明した。県庁で取材に答えた。
 菅首相について改めて「経歴を見ると、学問を本当に大切にしてきたという形跡が見られない」と述べた。その上で「6人を入れないのは学問的な理由でなければならない。もし政治的、イデオロギー的な理由なら言語道断だ」とし、任命拒否の理由を明らかにするよう求めた。
 日本学術会議については「全ての学問を網羅している学際的な組織で、大事にしなければならない」との認識を示した。

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