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ワーケーション、観光地で定着狙いモデル事業 静岡県

(2020/10/6 17:00)
ワーケーションなどの需要を見込み開業したホテルの客室。熱海市や伊豆地域を中心に広がっている=9月中旬、同市の「ISHINOYA熱海」
ワーケーションなどの需要を見込み開業したホテルの客室。熱海市や伊豆地域を中心に広がっている=9月中旬、同市の「ISHINOYA熱海」

 静岡県は本年度、仕事と余暇を組み合わせた新しい働き方「ワーケーション」を県内の観光地で定着させる事業に着手する。新型コロナウイルスの影響で低迷する観光産業の回復を支援する狙いがある。ワーケーションを希望する企業と受け入れる宿泊施設などの現状を把握した上で、年明けからモデル事業を試みる。本年度9月補正予算案に1千万円を計上した。
 ワーケーションはコロナ禍で急速に浸透しているパソコンなどを使ったテレワークを活用し、リゾートや温泉地で余暇を楽しみながら仕事をする就業形態で、環境省や観光庁が普及を推進している。県は首都圏からアクセスしやすい伊豆半島や富士山周辺、中京圏に近い浜名湖周辺などがワーケーションの適地になると判断した。
 熱海市では9月、ワーケーション需要を見越したホテル「ISHINOYA(石のや)熱海」が開業するなど伊豆地域を中心に動きが出ている。
 県は近く、首都圏や中京圏に本拠地を構える情報技術(IT)、企画、デザインの企業を主な対象にアンケートを始める。企業側が理想とする宿泊施設や通信状況、周辺環境を聞き取り、ワーケーションの場を県内観光地で提供できるか調べる。県内の温泉地など3地域で計300泊分を企業側に体験してもらうモデル事業を実施し、検証結果を県内観光地に周知する。
 県観光政策課の担当者は「ワーケーションは感染症対策と経済活動を両立させる新しい観光のスタイル。コロナ社会に対応した観光地域づくりを後押ししたい」と話している。

 ■観光業てこ入れ
 県内宿泊施設の客室稼働率は新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令された4月以降、前年同月を大幅に下回る状況が続いている。県はワーケーションを推進して宿泊施設の稼働率を上げ、観光地の活性化につなげる考えだ。
 国土交通省の宿泊旅行統計によると、県内宿泊施設の客室稼働率は4月が18.8%(前年同月比41.4ポイント減)、5月が15.6%(同41.5ポイント減)、6月が25.0%(同28.9ポイント減)、7月が33.4%(同27.4ポイント減)。リゾートホテルやシティホテルの落ち込みが激しい。
 また、国の観光需要喚起事業「Go To トラベル」では高級宿に需要が集中し、空きが目立つ宿との格差が指摘されている。

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