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リニア、トンネル湧水「過小見積もり」 有識者会議、静岡県がJR東海側問題点指摘

(2020/8/1 08:07)
静岡県が指摘したJR東海の流量予測の主な問題点
静岡県が指摘したJR東海の流量予測の主な問題点

 静岡県は31日、リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題の対策を議論する県有識者会議で、中下流域の水利用に影響が出ないとするJR東海の主張の根拠になっている流量予測の問題点をまとめた文書を示した。流域から県外に流出するトンネル湧水量の「過小見積もり」などを指摘した。会議の委員からも、国土交通省の専門家会議でJRの流量予測に関する議論が不十分だとする意見が相次いだ。
 県が問題視したのは、16日の国交省の専門家会議にJRが提出した流量予測に関する資料。これまでの県の有識者会議では示されなかった、トンネル周辺の地下水位の変化を記した地図や、上流部で推定される降水量が盛り込まれていた。
 県は、予測に重要な土壌の透水係数(水の通りやすさ)が推定値で、断層の地下水位変化が考慮されていないため、トンネル湧水の量が過小に見積もられている可能性を指摘。沢の流量変化が年間の平均値で示され、下流の水確保に重要になる雨の少ない時期の影響が分かっていない点も疑問視した。流量予測の精度は低く、中下流域の水利用への影響は判断できないとした。
 オブザーバーとして初めて出席した蔵治光一郎東大大学院教授(森林水文学)は、JRが推計を重ねた結果として上流部の年間降水量を4200ミリと推測したことについて「降水量の取り扱い方が許容範囲を超えている」と批判した。難波喬司副知事は終了後の取材に、JRによる流量予測について「何のために使うのかが不明確だ」と述べ、問題点を国交省に伝える意向を示した。

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