リニア大井川問題、現時点での方向性「乱暴」 川勝知事、国交省会議を批判

 リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、川勝平太知事は21日、国土交通省専門家会議の福岡捷二座長(中央大教授)が16日の第4回会合で、工事による中下流域の水利用への影響は軽微だとする認識を示したことに「現時点で方向性を出すのは乱暴だ」と述べて批判した。静岡工区のヤード(作業基地)に通じる林道東俣線で大雨の被災状況を視察後、報道陣に答えた。

リニア静岡工区に通じる林道東俣線の被災状況を視察する川勝平太知事=21日午後、静岡市葵区
リニア静岡工区に通じる林道東俣線の被災状況を視察する川勝平太知事=21日午後、静岡市葵区

 川勝知事は専門家会議について、JR東海がデータを提示し、実質的な議論が始まったばかりだと主張。地下水位低下などの影響に関する議論の途上にもかかわらず、座長が方向性を示した会議の進め方に「シナリオがあったと思える。意図的な誘導で中立性に危惧を抱く」とした。改めて、JRのデータを県の有識者会議に諮ると強調した。
 専門家会議の本県委員で、知事の視察に同行した森下祐一静岡大客員教授も「(第4回会合で)中下流への影響は少ないとの意見はあったが、方向性を一致させてはいない」と合意形成の手続きはなかったと指摘した。
 川勝知事は豪雨の影響で冠水・欠損した河川内道路を視察。ほかにも昨年10月の台風19号で被災した箇所があり、復旧の見通しも立たないなどとして、JRと国交省が求める追加工事の着手を認めないと改めて強調した。
 また、22日の意見聴取に応じる自民党の超電導リニア鉄道に関する特別委員会に対し「静岡工区の現場を見てから議論してもらいたい」と求めた。

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