通勤手段、自転車にシフトへ 労務管理、安全教育… 動画で「ウェブ研修」 コロナ禍「新様式」静岡県が後押し
(2020/6/29 17:00)-
静岡県は新型コロナウイルス感染拡大を受けた「新しい生活様式」を踏まえ、県内企業が従業員の通勤手段を公共交通機関から自転車に切り替える動きを支援する。企業の労務管理や交通安全教育に活用できるウェブ研修システムを構築し、国土交通省が展開している「自転車通勤推進企業宣言プロジェクト」への参加も積極的に呼び掛ける。県一般会計6月補正予算に関連事業費300万円を計上した。
ウェブ研修は経営者・総務担当用と従業員用の2種類の動画を作成する。経営者・総務担当用は駐輪場の確保や交通事故など自転車通勤の課題を整理し、事例紹介を盛り込む。従業員用は交通安全教育に活用してもらうほか、休日利用や運動不足解消など自転車の魅力発信にもつなげる。
県スポーツ政策課は「交通安全に配慮しながら、自転車通勤者を増やし、休日などの利用も増やしたい」とし、東京五輪・パラリンピック自転車競技開催を機にした「自転車の聖地づくり」に結び付けたい考えだ。
国交省のプロジェクトは自転車活用推進法に基づき、自転車通勤を積極的に推進する事業者を募る。県は自らも申請済みの立場として、県内企業にプロジェクトへの応募を呼び掛けていく。
県内各企業は感染症対策として、公共交通機関を避け、別の手段で通勤するよう従業員に要請している。従業員の25%程度に当たる約1千人が自転車通勤をしているという三菱電機静岡製作所(静岡市駿河区)は、補償額1億円以上の自転車保険に加入することを構内駐輪場の利用条件にしているという。担当者は「企業として最も懸念するのは交通事故」と指摘し、交通安全講習や自転車の整備点検なども定期的に行っているとした。
■保険加入 呼び掛け
県警のまとめによると、5月末現在の県内の自転車事故(速報値)は1129件で、前年同期に比べて411件減った。死者は5人(前年同期比5人減)、負傷者は1102人(同400人減)。新型コロナウイルス感染拡大に伴う休校措置によって高校生の事故が半減したことなどが要因とみられる。
ただ、今後は社会経済活動が再開する中で事故件数も増えることが予想される。県くらし交通安全課は自転車保険への加入を呼び掛け「1億円近い高額賠償のケースも発生している。保険加入は義務との認識を持ってほしい」と強調している。
県内は自転車の利用者などに損害賠償保険の加入を義務付ける県条例を昨年4月に施行。義務化事項は猶予期間を経て10月から適用となった。
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