全面公開のはずが…ネット傍聴制限 国交省専門家会議、県が反発

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題で、JR東海を指導するために国土交通省が新設した専門家会議が新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言が出される中、4月27日から始まった。感染症対策のためオンライン形式の開催になったが、県との事前協議で全面公開を約束したはずの同省鉄道局はインターネットでの傍聴を一部に限った。県側は強く反発し、同省が5月中旬の次回会合で対応を改めるのかが焦点になっている。

リニア大井川水問題に関する会議の公開性の比較
リニア大井川水問題に関する会議の公開性の比較
オンラインで各地を結んで開かれた専門家会議。ネットによる傍聴は限定し、動画は公開されていない=4月27日、国土交通省(同省提供)
オンラインで各地を結んで開かれた専門家会議。ネットによる傍聴は限定し、動画は公開されていない=4月27日、国土交通省(同省提供)
リニア大井川水問題に関する会議の公開性の比較
オンラインで各地を結んで開かれた専門家会議。ネットによる傍聴は限定し、動画は公開されていない=4月27日、国土交通省(同省提供)

 初会合は東京・霞が関の同省と各地の専門家をネット中継で結んで行われた。オブザーバー参加が認められた関係省庁と県、流域10市町の担当者はオンラインで傍聴できたが、県が参加を求めた利水団体はオブザーバーから外され、傍聴も認められなかった。

 ■一般人には非公開
 会議を設置する前の協議で県は「会議の全面公開」を含む5条件を要求し、同省は受け入れていた。議事録などによると、同省は対面形式の会議を念頭に「庁舎管理等の関係から一般の人の公開は控えたい」と説明していたが、感染症対策でオンライン会議に切り替えたため、庁舎管理に配慮する必要はなくなったはずだった。
 条件付きで専門家会議の設置に同意した川勝平太知事は4月末の記者会見で「全面公開は義務だ」と強調したが、同省鉄道局の森宣夫環境対策室長は取材に「どこまで公開できるのかを検討している」とし、傍聴を制限した理由は説明していない。

 ■静岡県会議は制限なし
 同様にリニア問題を協議する県主催の有識者会議は傍聴に制限を設けていない。国レベルでも原子力規制委員会は審査会合をネット中継してどこからでも見られるようにし、議事録も掲載している。
 情報公開制度に詳しい前山亮吉県立大教授(政治学)は「全面公開をうたいながら、庁舎管理を理由に限定公開する対応が矛盾している。映像とともに議事録を常に見られるようにすることも大事だ」と指摘する。

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