国交省、所管倉庫団体などへマスク斡旋 関係者「医療現場が先」
(2020/4/15 08:06)-
新型コロナウイルスの感染拡大でマスク不足が続く中、国土交通省が全国の倉庫関係など所管する業界団体に、医療機関でも使用可能とみられる使い捨てマスクの販売業者を仲介していることが14日、静岡県内関係者への取材で分かった。赤羽一嘉国交相は先に、タクシーなど公共交通事業者向けのマスク供給を打ち出し、同省担当者は「類似した取り組み」と説明。ただ、通知を受けた県内関係者は国による購入斡旋(あっせん)行為との見方を示し、「医療現場など、より必要性の高いところに回すのが先だ」と指摘した。
静岡新聞社が入手した文書では、マスクは50枚入り1箱3千円で、1カートン(900枚)から注文を受け付ける。販売するのは輸入関連業者とみられる。発信元は「国交省大臣官房参事官(運輸安全防災)付」で、マスク確保を調整した経済産業省から事業者の紹介を受けたと記されている。
文書は10日にメール送信され、宛先は日本倉庫協会、日本冷蔵倉庫協会、全国通運連盟など。会員事業所に情報を流すよう求めた。
県内のある倉庫業者には、数日前に業界団体の県組織からファクスが届いた。経営者の男性は「接客があまりないので人との距離を取りやすく、他業種に比べマスクを特に必要とする理由はない」と明かし、「みんなが困っている中、業界内でこんなことをしていたらまずい。購入はしない」と断言する。
医療機関ではマスク不足が深刻で、一部の市町は備蓄品配布などの対応に追われている。国交省が紹介する業者のマスクは不織布3層構造で、地域医療を担当する県中部の自治体幹部は「医療現場でも使えるはず。融通できるならしてほしい」と顔をしかめた。県中部の医療関係者も「販売先や方法が適切なのか」と疑念を抱く。
■他業種にも案内 国交省担当者の話
倉庫業以外にも、省内の各局が所管する他業種に同様の案内を出した。政府のマスクチームが医療や介護の現場をケアしているので、他で必要な分を奪っているわけではない。
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