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自動運転、静岡県の実証実験まとめ 専門家「地域のマナーが鍵」

(2020/3/23 08:07)
静岡県が19年度実施した主な自動運転実証実験とその課題
静岡県が19年度実施した主な自動運転実証実験とその課題
実証実験する自動運転の車両(中央手前)と路上駐車(オレンジ色の丸)。狭い道路になると自動運転で追い越しが難しくなる=1月、沼津市(静岡県提供)
実証実験する自動運転の車両(中央手前)と路上駐車(オレンジ色の丸)。狭い道路になると自動運転で追い越しが難しくなる=1月、沼津市(静岡県提供)

 静岡県は22日までに、2019年度に沼津市、下田市、松崎町で実施した公道の自動運転の実証実験結果をまとめた。高齢者の移動支援や観光振興につながるのではないかと、自動運転への期待は大きいが、路上駐車の回避が難しいといった課題も浮き彫りになった。専門家は自動運転の実現に向け、地域でのルール作りや住民のマナーが鍵を握ると指摘している。
 県のまとめによると、沼津市で1月に実施した実証実験は、自動運転のバスが路上駐車の車両を追い越した回数は朝夕の時間帯を中心に178回。そのうちほぼ半数は手動運転に切り替えた。片側2車線だと車線変更で対応できるが、1車線の場合は回避のためセンターラインを越える必要があり、ラインを越えてはいけないと設定された自動運転は対応が難しいという。
 低速の自動運転によって発生する交通渋滞も課題になった。昨年12月の下田市の実証実験は最高時速13キロのため、渋滞が頻繁に発生。沼津市や松崎町でも追い越しができない道路では渋滞が起きた。また、自動運転では狭い道路で対向車とすれ違う際に待機する判断ができず、手動運転で操作した。
 実証実験に取り組んだ県交通基盤部の小沢伸行理事は「技術的なハードルはまだ高い」と振り返る。実証実験を評価する県の有識者会議で会長を務める森川高行名古屋大教授は、自動運転が地域に貢献する点を住民に理解してもらう必要性を強調。「自動運転で避けるのが難しい路上駐車や(自動運転の渋滞に伴う)あおり運転をやめるというマナーを、地域に浸透させることが大事。技術で全て解決するのは難しい」と話している。

 ■県の自動運転実証実験 交通事業者や情報通信事業者など民間企業13社、大学2校と協定を結び、2019年度は袋井市を含む県内4カ所で実験した。沼津、下田、松崎の2市1町では運転手が乗車した形で実施。20年度は第5世代(5G)通信システムを使い、手動運転する際の作業を遠隔操作で行う実験を検討している。

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