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JRの姿勢、6市町「不誠実」 リニア水問題で静岡県側不信感

(2019/10/11 08:37)
JR東海の協議姿勢への大井川流域10市町長の受け止め
JR東海の協議姿勢への大井川流域10市町長の受け止め
難波喬司副知事(左奥)や専門家との協議に臨むJR東海の担当者(右奥)=4日、県庁
難波喬司副知事(左奥)や専門家との協議に臨むJR東海の担当者(右奥)=4日、県庁

 リニア中央新幹線の工事に伴う大井川の流量減少問題について、静岡新聞社が10日までに実施した流域10市町長アンケートで、静岡県と協議するJR東海の姿勢を6市町長が「不誠実で、このままでは信頼関係を損なう」と批判的な評価をした。一方で「理解を得ようとする努力は感じる」などと一定の評価をする意見もあった。
 静岡県とJRの協議では、JR側が当初、論点をずらしたり、曖昧にしたりする説明を繰り返して、難波喬司副知事が激しく憤る場面もあった。最近は図表を活用して資料を分かりやすくするなど改善が見られるものの、一部に合理的でない説明や曖昧な姿勢も残っているというのが県側の受け止めだ。
 アンケートの質問に対する答えには「(県の連絡会の委員を務める)有識者側の追及が厳し過ぎる」との選択肢も示したが、選んだ市町長はいなかった。
 県がJRに送った中間意見書に対するJRからの回答書に関しては、7市町長が「不十分」、残る3市町長も「問題がある」とし、「納得できた」とした市町長はいなかった。
 藤枝市の北村正平市長は「流域市町や利水者、市民の理解を得ようと努力していることは感じられる」としながらも「流域市町と信頼関係を築くには専門部会からの指摘に、科学的根拠に基づいた明確な回答をすることが必要だ」と述べた。
 島田市の染谷絹代市長は「誠実に対応しようとする姿勢は見られるが、まだ明確になっていない部分についても誠実に対応してもらいたい」とした。JRから県への回答書については「県境付近のトンネル湧水処理方法や、本流直下に断層が存在することの懸念など、必要な情報開示が不十分」と記述した。

 ■繰り返される論点外し、曖昧な説明… 静岡県側に不信感
 大井川流量減少対策を議論する県とJR東海の協議で、JRが論点外しや曖昧な説明を繰り返しているとして県側が不信感を強めている。協議の中でJRの担当者からは科学的な主張なのか疑問符の付く発言が飛び出すこともあり、難波喬司副知事は「対話の資質を問いたい」と憤りを隠さない。
 4日の協議では、JRが「トンネル湧水が県外に流出しても河川流量は減らない」と主張したのに対し、静岡大学術院理学領域教授の森下祐一委員が「県外に流出しても大井川水系の水が減らないとは、どういうことか」とただした。JRの回答は「水系がどこまでか、県境付近の地下水がどちらに流れているのか分からない」。
 かみ合わない回答に、傍聴席で見守る利水関係者らから失笑が漏れ、難波副知事は「分からないなら調査して評価してほしい。言っていることがむちゃくちゃだ」とJRを批判した。
 協議終了後の取材では、新美憲一中央新幹線推進本部副本部長が「水は広く見たら循環する。地下水も河川水も海に流れ、水蒸気になって雨が降る」と地球の水循環の話を持ち出して大井川の水の減少を否定。記者団をあぜんとさせた。
 協議に立ち会った国土交通省鉄道局の森宣夫環境対策室長は協議後、記者から科学的な議論がされていたかと問われると「技術的な議論はしていた。われわれがどうこう言う立場ではない」と答えるにとどめた。

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