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リニア・トンネル湧水、大井川アセス「流量減ない」 JRと相違

(2019/9/5 07:12)
「トンネル湧水の全量回復」を巡るJR東海の説明の変遷
「トンネル湧水の全量回復」を巡るJR東海の説明の変遷

 リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事中にトンネル坑内に湧き出た水の全量を大井川に戻せないとしたJR東海の方針が、環境保全のために実施した環境影響評価(アセスメント)の評価書に記載された「(大井川の)河川流量は減少しない」とする内容と食い違っていることが4日、分かった。評価書に法的な拘束力はないが、リニア事業はこの評価書に基づいて国土交通相に認可されていることから、利水関係者らが不信感を募らせている。
 2014年に公表された本県分の評価書には、先進坑(トンネル本体よりも先に掘る小型のトンネル)が隣の山梨工区とつながるまでの間、本県区間のトンネル湧水を大井川に戻すと記載されている。しかし、JRは今年8月、先進杭がつながるまでの間、山梨県境に近い本県区間のトンネル湧水は山梨県側に流出するのは技術的に避けられないとの認識を明らかにした。評価書にはトンネル湧水の県外流出に関して記載されていない。
 環境省によると、評価書の記載と実際の事業内容に食い違いがある場合、軽微な変更であれば環境アセスを再実施する必要はない。軽微かどうかの判断は事業者に委ねられている。JRは評価書の修正や環境アセスの再実施の必要はないとの認識を示している。
 ただ、流域市町の利水関係者は「事業認可を受けた時に言っていたことは守るべきだ。JRは二枚舌で信用できない。国が中立的立場で関わってほしい」と憤り、環境省などの関与を求めた。
 JRの新美憲一中央新幹線推進本部副本部長は8月下旬、取材に「(全量回復は)工事完了後との認識だった。細かいところまで詰めて話をしていなかった」と説明し、工事中を含むトンネル湧水の全量回復の方針を事実上、撤回した。

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