静岡新聞NEWS

ダンプの列、残土の山 土ぼこり舞う川沿い 山梨・早川本流ルポ

(2019/4/1 09:26)
リニア中央新幹線のトンネル工事残土置き場周辺をひっきりなしに行き交うダンプカー。昨年12月以降もこの光景は変わらない=山梨県早川町(写真の一部を加工しています)
リニア中央新幹線のトンネル工事残土置き場周辺をひっきりなしに行き交うダンプカー。昨年12月以降もこの光景は変わらない=山梨県早川町(写真の一部を加工しています)

 駿河湾サクラエビの不漁などとの関係が指摘される富士川水系の濁り。濁りの出どころとされた雨畑ダム(山梨県早川町)に加え、上流の早川本流(同町)でも強い濁りの存在が明らかになった。現場で何が起きているのか。3月中旬、早川をさかのぼり現状を取材した。
 富士川との合流地点から早川上流部に通じる県道37号。最初に気付くのは土ぼこりをあげながらすれ違うダンプカーの多さだ。川沿いでは工事現場や採石プラントなどが少なくとも10カ所以上。昨年末に最初の取材をしたが、変わらない光景だ。
 合流地点から約1キロ上流には、河川敷に積まれた高さ十数メートルの“ピラミッド群”。中部横断自動車道のトンネル工事で出た残土の山が見える。
 雨畑ダムに続く雨畑川と早川の合流地点まではさらに約8キロ。民間の水力発電所や、採石業者のプラントが複数ある。操業する平日の川の水はすでに濁り気味。周辺は地下の導水管が張り巡らされていて、水の流れは非常に複雑になっている。
 早川中流部には、リニア中央新幹線のトンネル残土置き場が河川敷に数カ所。リニアの本坑から地上に伸びる「早川非常口」などの工事現場では大手ゼネコンのキャッチコピー「地図に残る仕事」が書かれた看板も。周辺を走るのは「中央新幹線」と書かれたオレンジ色のプレートをフロントガラス内側に掲げたダンプカー。積んでいるのは「グリーンタフ」と呼ばれる青緑色の土だ。
 近くでは山梨県発注の道路工事現場が複数あり、重機が川床をさらう。周辺を糸魚川-静岡構造線が通り、土質のためか所々の川沿いで自然の土砂崩れも見受けられた。
 富士川との合流地点から約30キロ。早川上流にある山梨県管理の奈良田ダム。導水管の排水があり、濁りが強い日もある。
 早川を昔から見てきた地元の男性(74)は「自然の濁りは2、3日たてば消えるが、ここ10年ほど前からはいつまでたっても濁りが消えないようになった。人の手が入り過ぎ、自然を変えてしまっているのだろうか」と不安げだ。

早川水系の主な状況略図 ※静岡新聞社調べ
早川水系の主な状況略図 ※静岡新聞社調べ
静岡県内関係機関による富士川水系調査
静岡県内関係機関による富士川水系調査

静岡政治の記事一覧

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・
静岡新聞データベース

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿
静岡新聞モバイルサイト