静岡新聞NEWS

山梨・早川本流も強い濁り 雨畑ダムと別、静岡県が原因調査へ

(2019/4/1 09:27)
民間の工場放水路(右手前)から駿河湾に流れ出る濁り水。雨畑ダムの濁りに加え、早川水系の濁りも影響している可能性がある=29日午後、静岡市清水区蒲原(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
民間の工場放水路(右手前)から駿河湾に流れ出る濁り水。雨畑ダムの濁りに加え、早川水系の濁りも影響している可能性がある=29日午後、静岡市清水区蒲原(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)

 サクラエビの産卵場とされる駿河湾の富士川河口に民間企業の工場放水路(静岡市清水区蒲原)から濁った水が流れ出ている問題で、出どころとして指摘される雨畑ダム(山梨県早川町)より北の早川本流(同町)でも強い濁りが見られることが、31日までの取材で分かった。早川水系の濁り水は雨畑ダムから出た濁り水とともにこの企業の発電用導水管に流入。自然の川の自浄作用がないまま、駿河湾に流出しているとみられる。
 早川水系の周辺では川勝平太知事が「影響を視野に入れている」としたリニア中央新幹線工事に加え、濁りを出す恐れのある工事が複数箇所ある。静岡県は近く、山梨県やJR東海に協力を求め原因を探る方針だ。
 静岡新聞社は3月中旬、晴れ続きの平日の日中を選び、民間の環境調査会社とともに早川の水質を確認した。雨畑ダム北部の早川本流を約20キロさかのぼって調査。調べた約10地点のうち上流約20キロでの透視度は100センチ(浮遊物質量1リットル当たり1・7ミリグラム)でほぼ透明だった。一方、約10キロ地点は透視度が17・5センチ(同37ミリグラム)と著しく悪化。主因と指摘されてきた雨畑ダムの濁りの倍以上だった。
 早川では水質汚濁防止法に基づく浮遊物質量の環境基準は設定されていないものの、下流で交わる富士川では1リットル当たりの環境基準が25ミリグラムとされる。今回の調査結果から、上流10キロ付近では富士川の環境基準を上回る濁りの水が流れている可能性が示唆される。通年の水質調査が必要だが、山梨県大気水質保全課によると、対象河川を決める権限は当該県にあり、早川は流域人口の少なさなどを理由に対象としていないという。
 同県の団体「リニア・市民ネット山梨」(代表・川村晃生慶応大名誉教授)はサクラエビ不漁との関係を想定し、質問書を近く長崎幸太郎知事宛てに提出する予定。川村名誉教授は国にリニア事業の認可取り消しを求めた訴訟の原告団長。
 早川水系では、リニア工事や、山梨県発注の道路災害復旧工事など複数箇所で人の手が入っている。

静岡政治の記事一覧

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・
静岡新聞データベース

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿
静岡新聞モバイルサイト