仕事と育児両立へ 細やかな支援を ニーズ探るツール開発 大阪のNPO

 産前産後の相談やベビーシッター、家事代行といった、民間団体などが行う子育て支援は広がりつつある。ただし、料理の味付けや掃除のやり方などの好みや習慣は個々人によって違う上、その家庭が抱える別の問題に支援者が直面することもある。

母親が夕飯の支度をしている間に子どもを見守るノーベルの支援員(左)=兵庫県尼崎市
母親が夕飯の支度をしている間に子どもを見守るノーベルの支援員(左)=兵庫県尼崎市
母親(左)と面談するノーベルの職員
母親(左)と面談するノーベルの職員
母親が夕飯の支度をしている間に子どもを見守るノーベルの支援員(左)=兵庫県尼崎市
母親(左)と面談するノーベルの職員


 こうした複雑な事情が絡む中で、必要な支援を的確に把握するにはどうすればいいのか。このほど、病児保育のNPO法人ノーベル(大阪市)は各家庭のニーズを理解するツールを開発。さらに面談して各家庭が求めていることを把握した上でサポートする支援事業を1月から開始した。
 ノーベルは2010年から、病気の子どもを親に代わり自宅で看病する訪問型の病児保育を実施。今年からはサービスを子育て支援全般に広げた。長谷亜希ノーベル代表は「利用者が子育てと仕事の両立を図れるよう務めてきたが、病児保育の支援だけでは難しく、総合的なサポートが必要だと気付いた」と説明する。
 開始したのは「まるごとサポート」事業。大阪大の教員らが立ち上げたベンチャー企業と協働で、サービスを受ける保護者の51の質問への回答によって、各家庭を11タイプに分ける支援ツールを開発した。これは、がん患者の合意を踏まえた治療方針決定などに使われていた理論を応用した。
 ノーベルの職員は、支援ツールの情報を基に保護者らと面談してニーズを明確化し、的確な支援へとつなげることを目指しており、現在実証実験中だ。
 モニターの兵庫県に住む保育士、栗岡敦子さん(35)は、長女の瑠和[るか]ちゃん(6)と長男の弦くん(2)を育てるシングルマザー。
 仕事と家事で忙しく、子ども2人を連れて遊びに出掛ける余裕がない。このほどノーベルの支援員1人と子どもの計4人で動物園に行く機会があり、「子どもが自分の気持ちをうまく言えなかった時、母親だといらだってしまうが、支援員の方がきちんと向き合って話を聞いてくれたので助かった」と振り返る。
 瑠和ちゃんの学童保育の迎えや自宅での家事補助も週2回程度依頼している。「私がご飯を作っている間に支援員さんが子どもと遊んだり、お風呂に入れてくれたりするので、日頃できない家事ができる」と満足げだ。
 「まるごとサポート」は来年度からの本格運用を目指す。

 

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