在日米軍司令官「大将」格上げへ 部隊指揮も検討、自衛隊と連携

 米政府は在日米軍司令部(東京・横田基地)の機能を強化するため、司令官の階級を中将から大将に格上げする方向で調整に入った。日本が陸海空3自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」を発足させるのに伴い、トップの階級を同等にして連携を強める。複数の関係者が5日、明らかにした。米側は日米共同訓練の企画立案機能や、実動部隊の限定的な指揮権を付与する案も検討している。

日米の司令部とトップ
日米の司令部とトップ

 日米両政府は10日に米ワシントンで開く首脳会談で、指揮統制の見直しに合意する見通し。同盟強化策を具体的に示し、中国や北朝鮮への抑止力向上を図る。憲法が禁じる他国軍の武力行使との一体化につながるとの懸念も強まりそうだ。
 米側は司令官の格上げに伴い、在日米軍司令部に陸海空3軍と海兵隊などを横断した統合任務部隊を設ける方向。日本が他国領域のミサイル基地などを破壊する反撃能力(敵基地攻撃能力)を保有するのに伴い、共同対処能力を高める。5月末にも開く外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で協議する。
 統合作戦司令部は2024年度末、東京・市谷に開設予定。トップの統合作戦司令官は、陸海空幕僚長と同格の「将」とする。現在の在日米軍司令官はラップ空軍中将で、後任にジョスト空軍少将が指名された。就任すれば中将に昇格する。大将が就くのはジョスト氏の後任以降とみられる。
 在日米軍司令部の権限は現在、基地の管理などに限定され、実動部隊の指揮や自衛隊との調整はハワイのインド太平洋軍司令部が担っている。日本とハワイでは時差や距離があり、円滑な意思決定に課題があるとの指摘があった。ただ、在日米軍に権限を大幅に移すことには米軍内に慎重論がある。権限が横田とハワイに分かれれば、日米間の調整が逆に複雑化しかねないとの指摘もある。

 在日米軍司令部 米軍横田基地(東京都福生市など)に置かれ、日本国内に所在する米陸海空軍と海兵隊の基地の管理、米軍と米兵の法的地位を定めた日米地位協定の運用、米兵・軍属の福利厚生などを担う組織。作戦指揮権は米ハワイのインド太平洋軍司令部が持つ。在日米軍司令官は日本における米軍の代表者で、現在は空軍中将が就き、第5空軍司令官を兼務する。副司令官は地位協定に関し、運用上の必要事項を日本政府側と話し合う「日米合同委員会」の米側代表を務める。

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